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ネットワーク機能を標準搭載した
セガ最後の家庭用ゲーム機。
エンターテイメントの未来を先取りするマシンとして誕生した「夢のゲーム機」。本格的なオンラインコミュニケーション機能を持つ、業界初の家庭用ゲーム機である。
インターネット通信用モデムを標準搭載し、ブラウザでウェブサイトを見たり、ゲームやチャットによって人と人とのコミュニケーションを楽しませるさまざまなサービスを用意した。同時にネットワーク機能を生かしたオンラインゲームも多数発売した。
さらに、持ち運びを見据えたモニタ付きメモリーカード「ビジュアルメモリ」、アーケード基板「NAOMI」との連動など、ハード単体に収まらない拡張性も話題となった。
湯川専務(当時)を使った大規模なCM戦略も話題をさらったが、2001年1月に製造中止と家庭用ハード事業撤退が決定し、現状でのセガ最後の家庭用ゲーム機となった。
型番 | HKT-5000 他 | |
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CPU | SH4:128bitグラフィックス・エンジン内蔵RISC CPU (動作周波数 200MHz 360MIPS/1.4GFLOPS) |
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グラフィックエンジン | PowerVR2 DC(CG描画性能:300万ポリゴン/sec. 以上) | |
サウンドエンジン | スーパー・インテリジェント・サウンド・プロセッサ 32bit RISC CPU 内蔵(64チャンネルPCM/ADPCM) |
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メモリ | メイン | 16MB |
テクスチャ | 8MB | |
サウンド | 2MB | |
モデム | 33.6Kbps標準装備(リムーバブル方式) | |
メディア | GD-ROM(ジーディーロム)-新規格 高密度記憶媒体(容量:約1GB) | |
CD-ROMドライブ | 最高12倍速(角速度一定方式) | |
OS | Microsoft(R) Windows(R) CE カスタムバージョン | |
最大同時発色数 | 約1,677万色 | |
主な画像表示 処理機能 |
Bump Mapping (パンプ・マッピング) | 凹凸の生成 |
Fog (フォグ) | 霧効果 | |
Alpha-Blending (アルファ-ブレンディング) | 半透明効果 | |
Mip Mapping (ミップ・マッピング) | ポリゴンとの距離に合わせたテクスチャの自動切り替え | |
Tri-Linear Filtering (トライ-リニア・フィルタリング) | バイ-リニア・フィルタリングの並行処理結果を加重平均してテクスチャとして使用 | |
Anti Aliasing (アンチ・エイリアシング) | 輪郭に生ずる「ギザギザ」を滑らかに処理するフィルタ機能 | |
Environment Mapping (環境マッピング) | 周囲の環境が映ったテクスチャーをオブジェクトに貼り込む機能 | |
Specular Effect (反射光エフェクト) | オブジェクトに光沢を施す機能 | |
使用電源 | AC100V±10% 50/60Hz | |
消費電力 | 約22W | |
使用環境 | 温度:5~35度、湿度:20~90%RH(結露なきこと) | |
保存環境 | 温度:-20~60度、湿度:10~90%RH | |
データセーブ方法 | VM(ビジュアルメモリ)使用 | |
その他機能 | 時計機能など | |
本体最大寸法 | 190mm(W)×195.8mm(H)×75.5mm(D) | |
本体重量 | 約1.5kg | |
付属品 | 専用コントローラ×1、ステレオAVケーブル、電源ケーブル、モジュラーケーブル(5m)、取扱説明書、Dream Passport(通信用ディスク) |
家庭用ゲーム機市場でセガサターンとの差が開きつつあったプレイステーションに対抗すべく、セガは、やがて登場するであろうプレイステーションの後継機に先行する形で新型ゲーム機ドリームキャストを世に送り出す手に出た。
ドリームキャストのプロモーションにあたっては、セガサターン時代についてしまったコア向けのイメージを払拭すべく、自虐的ともとれる大胆でインパクトの強いシリーズTVCMを展開。出演した当時の専務執行役員 湯川英一氏、通称「湯川専務」が大きな話題を呼び、第一弾「とある街の声」編は、第38回ACC全日本CMフェスティバルにて最優秀テレビCM賞を受賞。ドリームキャスト発売日となった1998年11月27日に秋葉原で行われた湯川専務が手渡しで販売する店頭イベントには、テレビ・新聞をはじめ多くの取材陣が詰め掛けた。
しかし、全世界において圧倒的なシェアを誇るプレイステーションの牙城を崩すことは困難を極め、1999年6月24日には価格を29,800円から19,900円に改定。そして2001年1月31日、セガは家庭用ゲームビジネスにおける事業展開をコンテンツ事業に特化すると発表。同時にドリームキャストの製造を2001年3月期をもって中止することが明らかにされ、2001年3月1日より9,900円と再度価格が改定された。
こうして1983年から始まったセガ家庭用ゲーム機の歴史は幕を閉じることとなった。
まだまだネットワーク接続になじみがない当時において、夢(dream)を広く伝える(broadcast)ことを使命として誕生したドリームキャストはモデムを標準装備しており、通信機能を活かした今までにない新しいサービスを展開していった。
通信対戦やデータ配信など、ネットワークゲームの分野を開拓しただけでなく、専用ブラウザ「ドリームパスポート」で手軽にホームページの閲覧やメール送受信が行えたり、また、オフィシャルウェブ・マガジン「dricas(ドリキャス) 」、独自通販サイト「ドリームキャストダイレクト」、月額制ゲーム配信サービス「ドリームライブラリ」などの多岐に渡るネットワークサービスが運営された。
自社内にプロバイダー事業を立ち上げ、接続無料サービスを行うなど、一般ユーザーのインターネット接続へのハードルを下げる取り組みも行われ、国内ネット創成期をけん引した。
ドリームキャストはセガサターンに使われた32ビットRISC CPU「SH2」を大きく進化させた「SH4」を搭載。さらにグラフィックチップとしてPowerVR2を搭載することで、より鮮明な解像度で表示することができるようになり、セガサターンが不得手とされてきた3Dポリゴンや半透明処理などの表示処理能力が大幅に強化された。
ドリームキャストはこれらの高性能化により、アーケードゲームを遜色なく移植できるまでに到達した時代と言える。
また、アーケード側にはドリームキャストとの互換性を持つ基板「NAOMI」が登場し、セーブデータの連動といった試みも行われた。
ドリームキャストの外箱は、白地のシンプルなデザイン。周辺機器のパッケージの多くも同デザインで統一されている。
発売初期においてはTVCMの名場面が使用されたインパクトのあるデザインだった。
下の画像クリックで拡大表示されます。
※パンフレットに記載されている価格・問い合わせ先等は当時のものです。
使いやすさと限りない拡張性を両立させた、未来のエンターテイメント・コントローラ
Dreamcastのコントローラは、人間工学に基づいたシンプルで使いやすいデザインに、さまざまな機能を凝縮。あなたの手と心の動きをスムーズに伝え、あなたの意のままにコントロールできます。
超リアル3D空間を自由に動き回れるアナログ方向キー、微妙な調整が可能なアナログトリガー、さらには振動ユニット「ぷるぷるパック(仮称)」やマイク端子「マイクデバイス(仮称)」などにも対応できる拡張ソケットを2基標準装備。自由自在の操作性と限りない発展性を両立させました。
コントローラを手にした瞬間から、あなたは五感をゆさぶられるはずです。
テレビの前から戸外へ、人から人へ。無限のフィールドで楽しめるビジュアルメモリ
コントローラに挿入してデータを保存するメモリーカードには、PDA(携帯情報端末)型の「ビジュアルメモリ」を採用。これは単体で携帯型液晶ゲーム機として利用でき、ダウンロードしたキャラクターを育てたり、ビジュアルメモリ同士を合体させてデータやキャラクターの交換が可能。しかも、保存したデータを液晶画面により手元で確認・管理できるパーソナルビューアーとしても使用できます。
時間や場所を選ばず、新しいゲームの世界がグ~ンと広がります。
モデム内蔵、「Dream Passport」付属。
電話回線につなぐだけで無限大に広がる「ネットワークの世界」はあなたのもの!!
Dreamcastは、家庭用ゲーム機では世界で初めて33.6kbpsの高速モデムを内蔵し、電話回線をつなぐだけで簡単に通信可能。しかも付属の通信ディスク「Dream Passport(ドリームパスポート)」でユーザー登録すれば、Dreamcastのオフィシャルウェブ・マガジン「dricas」(ドリキャス)から最新情報をゲットしたり、電子メールやチャット、通信対戦を楽しんだり、自由自在。また、別途WebTVへの加入でWebTVサービスが利用可能。Dreamcastで地球サイズのインターネットも体験できます。
(以上、当時のパンフレットより抜粋)