インタビュー・大岡良樹

P1 - P2 - P3 - P4 - P5 - P6 - P7 

『ゲイングランド』3人同時プレイ?

─  先ほどのお話でも少し出たので改めて伺いますが、『ゲイングランド』は1〜2人で遊ぶテーブル筐体がポピュラーですが、3人で同時プレイできる筐体(3Pバージョン)があるとの噂を耳にしたのですが……。

■  あったというか……『ゲイングランド』は、まず海外用の3P筐体のもので開発を始めたんです。この筺体は『カルテット』用に作られて以降、3Pモノに延々使いまわされていました。営業上、日本のゲームセンターの状況も考えてテーブル筐体向けも作ろうって、2P版を最終的に作ったんです。

3P筐体という形では発売されなかったけど、『カルテット』などの筐体のコンバージョンキットとして出てはいたから、多くなくても日本でもプレイした人はいると思う。

─  3Pバージョンは、2Pバージョンとどういうところが違うんですか?

■  システム的にプレイヤーをMAX3Pで作っておいて、2Pまでしか遊べないようになっているだけです。だから3P版ではキャラクターオーバーで絵が崩れたりすることがある(笑)

システム24は画面が緻密になったにはなった。でもキャラクターRAMは(容量が)小さいので、画面いっぱいの大きなキャラクターを出すことができなかった。小さなキャラクターをワサワサと出すしかないというハードだったんです。

─  それならば、3P版では2人よりも3人でやると攻略が簡単になるんじゃないですか?

『カルテット』の筐体

『カルテット(1986年)』の筐体。

「3Pと2Pの最大の違いは、実はソフト面ではなくて、コイン投入口なのね。2P筐体はコイン投入口は一個で、それぞれのプレイヤーにスタートボタンがあるけど、3P筐体はそれぞれのプレイヤーごとにコイン投入口が用意されています。」
■  いや、ステージ開始時にプレイヤー数を見て、後からワラワラ出てくる敵を増やすとか、1発では死なないように敵を強くするとか、そういうところを自動的に調整するので、簡単になるわけではないね。(インカムを)稼げるものはシッカリ稼げないといけないし。

─  2Pバージョンのロムのディップスイッチをいじって、3Pバージョンにはできないんですか?

■  もともと(ゲームプログラムが入った)ディスクが違うので、できません。

─  でも、1人で遊ぶのと3人で遊ぶのではゲーム性が全然違うのではないですか?

■  うん。このゲームは1人で遊ぶゲームじゃなくて、2人以上で遊ぶゲームだから。

このゲームには「こいつが余計なことするから敵が増えちゃったじゃないか」とか「他のプレイヤーの死んだコマンドを自分のモノにする」とかがあるんですよ。自分がやるだけでなく、他の人がプレイすることによって、自分の状況が変わってくる……『ゲイングランド』は、2人以上で楽しむゲームなんです。
3人同時プレイ

『ゲイングランド』のチラシを目を凝らして見てみると…確かに3人でプレイしています。

─  これだけ長い間の支持があるっていうのは、うれしいことじゃないですか?

■  アーケードゲームの宿命なんだけど、家庭用のハードとソフトは永くユーザーに残る。アーケードの場合は、お店から消えちゃったら、それがどんなものだったか、お客様が見る機会をなくしてしまう。

鈴木裕さんの体感ゲームなんかも、ゲーム性としては今までも家庭用に再現されているんだけど、『ハングオン』で筐体を傾けた時、カーブにさしかかった時、5度ケツがあがった時にどれだけ恐いのか、そういう感覚はプレイした人じゃないとわからない。現在の評価っていうのは、そういう部分が全部削り取られたものが主流でしかないから。

実際にゲームセンターで遊んできた人と、名前だけしか知らない人、家庭用に移植されたものだけしか遊んだことがない人の評価では全然違う。

そのあたりをどれくらい伝えられるのか……というのが、ポイントだね。
大岡さん

「ソフトは何本か作ったけど、はかないアーケードタイトルの中で1本でも、これだけ永く残るものにめぐり会えたのはクリエーター冥利に尽きます。」

2003.4.14 セガ・取材室にて  



“ゲームの神様”降臨

トップページにもどる

リプレイコミック「大岡さんとゲイングランド」