大内孝悦(おおうち・たかよし)
『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!'04』
宣伝担当

1999年、セガ入社後、宣伝部に配属。DC『NFL 2K』、DC『NBA 2K』など、主にスポーツゲームの宣伝を担当。『サカつく3』より、『サカつく』シリーズの宣伝、プロモーションを統括する。

『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!'04』 (以下 『サカつく'04』 )シリーズ第3回目。
今回のゲストは、CMやキャンペーンなどの
宣伝全般を担当した、大内孝悦さんです

 第3週 宣伝担当 大内孝悦  第1週 第2週 第4週

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本記事で紹介したすべてのCMは、「セガチャン」 チャンネル4でご覧いただくことができます。
 発売から約1ヶ月、『サカつく'04』、やりこんでますか?
さて、4週に渡ってお送りする、 SEGA VOICE " 『サカつく'04』 のすべて"。今週は、印象的なCMを制作した、宣伝担当の大内孝悦さんが登場します。大内さんの仕事は、CMの制作から、お店での販売促進物づくり、イベント企画までさまざま。開発されたゲームを、ユーザーのみなさんにお届けするために、さまざまなプロモーションを打ち出す大内さんに、CM撮影時の裏話などなど、お聞きしました。
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——4月は"サカつQuiz篇"、5月はくりぃむしちゅーの上田さんによる "うんちく篇"、そして6月はベンゲル監督を起用と、かなりバラエティに富んだCMが流れていましたね。

大内■今回はどこもやってないことをやろう、ってのがまずあったんです。発売までの3ヶ月という短期間で、分厚いプロモーションをするにはどうするか。『サカつく'04』 にこめたメッセージをどう伝えるのか。徹底的に考えた結果がこう言ったCM展開になったという感じですね。

実は、ベンゲル監督の起用を決定する前に思い浮かんだ具体的なCMのイメージもありまして、何人か候補者が挙がっていたんです。
このあたりの経緯は、プロデューサーの川越さん(※)が詳しいので、そちらにお聞きいただくことにして 、最終的にはベンゲル監督を起用させていただきました。
(※次週登場です!)


▲"記者会見篇"、"ロッカールーム篇"ともども、パリで撮影されました。時差もあり、日本のスタッフとのやりとりや、撮影場所の決定も大変だったとか。


——CMの撮影で、実際にお会いしたベンゲル監督の人柄は、どんな感じでしたか?

大内■彼はほんとうに素晴らしい人でしたね。頭もいいし、すごくかっこいい。何をやらせても絵になるんです。かっこいいだけじゃない、 「ああ、この人は名将だな」 、って思わせる瞬間がCMの撮影中もありましたね。

パリでのCM撮影の日、撮影の予定の時間になっても彼がこない。スタッフがあせっているなか、30分ほど遅刻して現場にやってきたんですね。小さい車がやって来て、でっかい男が降りてくるわけです(笑)。

で、到着して、まず最初に彼がやったことは、現場のスタッフ全員への握手なんです。エキストラを連れてきたおばちゃんにまで 「ナイス・トゥー・ミー・トゥー」 って握手をしてくれて。それで、ピーンと張り詰めてた現場が、一気にほぐれたんです。……人の心をつかむってこういうことなんだなと思いましたね。こうやっていつもアーセナルの選手に接しているんだろうな、と。


——記者会見篇での"お茶目な"ベンゲル監督も印象的でした。フランス語での記者会見中に、突如ベンゲル監督が 「『サカつく』をやりたいので失礼する」 と言って退出してしまう。もちろん、『サカつく』 という単語だけは日本語のわけですが(笑)。……日本人はそれを聞いただけでニヤリとしてしまいますよね。

大内■最初のシナリオは、 「ゲームをやりたいので失礼する」 って言って立ち去るという、終わりだったんです。でも、撮影の前日に僕らのほうで、" 「ゲーム」 より 『サカつく』 って言ったほうが面白くねっ?"って。 『サカつく』 ってどうしてもベンゲル監督に言わせたくって、ナレーションを変えたんですよ。

ほかにも、ベンゲル監督自身が、 「言葉を直していいか?」 って、彼自らナレーションを直している部分もあります。 「僕はこう言いたい」って。

あとは、記者会見篇を撮ったあとに、ロッカールーム篇を撮ったわけですが、日本人コーチが、 「ダー」 だの 「ガー」 だの選手の前でハッパかけてるでしょ? そのリハーサルシーンを、ベンゲル監督が横で見てて、大爆笑!  「この人おかしい! でも本当のコーチっぽい。俺よりあいつのほうが監督っぽいぞ!」 ってフランス語で大爆笑してましたね。喜んでましたよ。



▲くりぃむしちゅー、上田さんによる床屋 "うんちく篇"


——うんちく篇での、くりぃむしちゅーの上田晋也さんはいかがでしたか?

大内■上田さんは、あの企画にはばっちりですよ。彼はいま、うんちくを芸にしているから、ものすごい勉強家なんですよね。大学受験のときより勉強してますよ、って言ってました(笑) 。

そうそう、CMの最後、彼のアドリブがあるんですよ。 「ちなみに何が最強かと問われれば、個人的には秘書の美人度です……」 って言った後、ガムテープ貼られちゃうの覚えてます? 
そのあと口をモゴモゴさせてるんですけど、あれは、実は美人についてのうんちくしゃべってるんです。 「美人のもとといえば、世界的にはあのクレオパトラがなんたら」、なんてうんちくをしゃべってる(笑) 。




——4月に放送された、 "サカつQuiz篇" の反響はどうでしたか?

大内■反響は大きかったんじゃないでしょうか。答えはウェブで、ということだったので、番組放送後に、 『サカつく』 公式ページのアクセス数がガーンとあがりましたから。 あのクイズはね、"簡単そうだけどわからない"ってネタを選ぶのが大変だったので、反響があってよかったな、と思います。あれを見ながら答えを言うと、まわりが 「へー!」 ってなるようにしたかったから(笑)。

——やっぱり、具体的な反響があるとうれしいものですか?

大内■そうですね。開発は寝る間を惜しんで、面白いものを一生懸命つくっているし、営業担当は一生懸命、お店に置いてもらっている。それで売れなかったら、やっぱり僕たち宣伝担当の責任ですから。


▲"サカつQuiz篇" の博士は発売後のCMにも登場。


反響といえば、発売日に店頭で発売イベントをしたんですが、その現場で遊んでくれる人の顔を見れたのがうれしかったですね。板前さんや、郵便局員さんが仕事の合間をぬって昼休みに、ダッシュで買いに来てくれたり。 そうそう、もう発売されましたけど、6月29日発売の "サッカーマガジン"(ベースボール・マガジン社発行)で、 "『サカつく』 どうよ?" って読者投稿ページが企画されているんですが、 いろんな人がいて面白いですよー。

——この企画には、たとえば、どんな投稿があったんでしょうか? いろんな人がいるみたいですね。

大内■そうですね、"『サカつく3』 のとき、なんども小野伸二を獲得しようとして断られ続けて、獲得できない。しょうがないんで、どの代理人に頼めばいいのか、伸二本人に聞いたけれど教えてくれない"。 ってこの投稿、実は浦和レッズの広報の水上さんなんですけど。本人に聞いたってしょうがないじゃん!(笑)

あとは……、ある奥さんからの投稿なんですけど、"スローのスーパーモードに入ると、大興奮する夫。微妙な前兆をかぎわけ、スーパーモードに入る直前、毎回シャキーン! シャキーン! と叫び……" とか、スーパーモードって言うのが、やりこんでるなーって感じでしょ? だんなさんおかしいですよね(笑)


サッカーマガジン7月13日号(6月29日発売)

——この号のサッカーマガジンの広告はすべて 『サカつく'04』 ですね。

大内■そうなんです。とにかく今回はどこもやってない宣伝をしよう、って考えたので。サッカーマガジンまるごと、ひとつのゲームの広告で埋め尽くすのって、本邦初なんですよ。サッカーマガジンの編集のかたも 『サカつく』 を好きでいてくれて、いっしょにやりましょう!って言ってくださって。いろんなかたのご好意で実現した、『サカつく』 ジャック号です。

——"『サカつく』 どうよ?" を見ると、ユーザーのかたの愛を感じますね。

大内■ 『サカつく』 は遊ばないと面白さを語れないし、遊べば遊ぶほど語りたくなりますしね(笑)。 僕たち宣伝担当ってのは、面白いに決まっているソフトを、どれだけの人に遊んでもらうかって伝道師みたいなものなので、とにかく周囲を巻き込めればって思ってます。




——宣伝担当は、『サカつく』 伝道師ですか (笑)。

大内■うん、もう伝道師の僕としては、やるだけやろうと思ってて。 CMをやって、予約キャンペーンをやって、購入者キャンペーンをやって、発売イベントをやった今は、もうあとは背中にポスターを背負って全国のサッカー場とフットサル場の更衣室をまわろうかと(笑)。地道に、面白さを伝道行脚しようかなんてと考えたりしてます。

だって、シリーズ最強最新作なんだもの、遊べば面白いのは当然なんです。その面白さをどうやって伝えるか、それが僕の役割なんですよね。



PS2 『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!'04』
発売日:2004年6月24日  価格:6800円 (税込7140円)
ジャンル:スポーツ育成シミュレーション
● 『サカつく'04』 公式サイト
● 『サカつく'04』 製品説明ページ

● セガダイレクト 『サカつく'04』

次週の 「SEGA VOICE」 は7月22日 (木) 更新!
最終週である次回、『サカつく'04』 4週目は、『サカつく』 番長、川越隆幸プロデューサーが登場します。いままでの 『サカつく』 シリーズをふりかえりながら、パワーアップした 『サカつく'04』 への想い、そして、これからの 『サカつく』。発売後だから明かせる、ここだけの話を大公開しちゃいます。


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