インタビュー・前川正人

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今回の「名作アルバム」開発スタッフインタビューは、『ガンスターヒーローズ』のスーパーバイザー、株式会社トレジャー代表取締役社長・前川正人さんが登場。“シャチョーレーザー”をはじめとするユニークなネーミングの由来から、トレジャーの「ゲームのつくりかた」の秘密、なぜ『ガンスター』に登場するボスはこんなに個性的なのか!? などなど……

いま、すべてが語られる!

前川正人 プロフィール

株式会社トレジャー代表取締役社長。1992年、同社設立。当初は社長兼プログラマーとしてMD『ダイナマイトヘッディー』など多数の作品を手がける。現在は、「職人集団」トレジャー全作品のプロデューサー的な立場で活動している。

トレジャー代表作品:『ガンスターヒーローズ』『エイリアンソルジャー』『ガーディアンヒーローズ』『レイディアントシルバーガン』『斑鳩』『罪と罰〜地球の継承者〜』『BLEACH DS 蒼天に駆ける運命』など
前川正人



コンセプトは「爽快感」と「何でもあり」

■  まず、最初にひとこと言っておきたいのは、今日は『ガンスターヒーローズ』(以下、『ガンスター』)のインタビューですが、私はトレジャーの代表としての立場で、見てきた内容を語らせていただきたいと思います。

……と言うのは、私が『ガンスター』のことを話すと、内情を良く知ってるコアユーザーから「お前はつくってないじゃん!」なんてツッコミが入りそうですので(笑)。

─  『ガンスター』の企画が立ち上がった頃のお話から聞かせていただけますか。
株式会社トレジャー

平成4年6月19日設立。主にゲームソフトの企画・開発を行う。

株式会社トレジャー

http://www.treasure-inc.co.jp/
■  最初に『ガンスター』の企画を立ち上げた時は、まだトレジャーという社名もなくて、喫茶店とかに集まってディスカッションしていました。会社の設立直後だったこともあり、「自分たちの得意分野じゃなきゃ駄目だよね」という事で、自分たちの好きなもの、得意なジャンルであるアクションシューティングを第1作目に選び、「爽快感」「何でもあり」というコンセプトでいこうと決めました。

ちなみに最初に企画した時は、『ルナティックガンスター』というタイトルでした。しかし「ルナティック」という単語のイメージが悪いそうで、これはちょっと駄目でしょう、とタイトルの変更を余儀なくされまして……。それで『ブレードランナー』という映画にかけて『ブレードガンナー』はどうだと提案してみたんですが、これは結局、商標が取れずに駄目。

……アメリカでも発売することは決定していたので、セガ・オブ・アメリカから「“HEROES(ヒーローズ)”という言葉が、かっこいいからオススメだよ」という提案がありまして、最終的に『ガンスターヒーローズ』に決まりました。……覚えやすくていいタイトルなんですが、本当に「ヒーローズ」が“かっこいい”タイトルなのかどうかは、今でも疑問なんですけどね(笑)。
ガンスターヒーローズ

左上が北米版、右上が欧州版、そして下が日本版の製品パッケージ。
─  セガに持っていった時、すぐに企画は通りましたか?

■  当初、この『ガンスター』の企画をセガに持っていった時、なかなか開発のOKがもらえなくて困りましたね。当時はオリジナルの企画も、今よりOKがもらいやすい時代だったんですが、会社の実績が無いせいもあったのか、この企画はなかなかOKはもらえませんでした。

■  そうこうしている間に、セガから『マクドナルド トレジャーランド・アドベンチャー』(以下、『マクドナルド』)の企画をいただき、『ガンスター』と並行して開発に入ることになりました。『マクドナルド』の契約をして数ヶ月経ってからですね、『ガンスター』の開発に正式のOKが出て契約できたのは。プロトタイプで作っていた『ガンスター』に多関節のボスができはじめた頃、セガからも「これはいいんじゃない!」とお墨付きをもらって正式に開発を進めることになったんです。だから、正式に『ガンスター』の契約をしたのは『マクドナルド』のちょっと後になるんですね。
『マクドナルド トレジャーランド・アドベンチャー』

「マクドナルド」のイメージキャラクター“ドナルド”が活躍するアクションゲーム。プログラムは前川氏が担当した。
■  また、開発的には『マクドナルド』が最初に完成していたのですが、トレジャーという会社を考えた場合、1本目はキャラクターものではなくてオリジナルの『ガンスター』でいきたいという考えがありました。……最終的には、いろいろな事情もあり、1993年9月10日に『ガンスター』を1本目として発売することができました。

それから、今でこそ開発会社や開発者の名前を明らかにすることは当たり前になってますが、当時は開発会社の名前を出さない風潮があったんですよ。だけど私は、とにかく「トレジャー」という名前を出したかったんですね。……この件に関してはセガさんからも快く承諾を頂き、無事、トレジャーのロゴをゲーム起動後の画面に入れることができました。思い返せば、これをやったおかげでトレジャーという会社の認知度はグーンと上がったと思いますね。
トレジャー

ゲーム起動後に表示されるトレジャーロゴ。3D処理され、回転しながら登場する。
─  当時、実際にガンスターをプレイしたユーザーは、どんな感想を持っていたんでしょうね。

■  ユーザーさんには「爽快感」っていうコンセプトはストレートに伝わったみたいですね。……発売したら、自分達の予想以上に人気が出て、当時のゲーム雑誌「BEEP! メガドライブ」でも読者ランキング1位になりまして、「え!? 本当かよ!」みたいな(笑)。

『ガンスター』って、難易度と武器選択によって全然違うゲーム性になってくるんですよね。武器の選択によって攻略方法が変わってくるのはもちろん、難易度の違いによっても敵の攻撃方法自体が変わったりなどして、プレイヤーによって遊び方が全然違ってくると思います。

例えば、私のようにノーマルモードで「シャチョーレーザー」で爽快感だけを求めて、ぬるーく遊んでいる人もいれば、エキスパートモードでフィックスショットでかっこよくプレイする人もいるわけです。

ちなみに「シャチョーレーザー」は社内では私が使ってばかりいたから、この名前がつきました。難易度ノーマルまでは、一番クリアーしやすい武器だと思うのですが、ハード以上では通用しませんし、ボタン押しっぱなしで避けるだけのプレイがかっこ悪いかもしれません……。だから、「シャチョーレーザー」なんて嫌味な名前をつけられちゃったのかもしれないですが(笑)。
シャチョーレーザー

武器の名前の由来なんですが、「ジョンのマシンガンSS」の“SS”は“スガナミ(「NAMI」の本名)スピリット”の略じゃなかったかな?「レーザー100」は、当時のCMで「レーサー100」っていうのが流行ってたんですが、そっからの引用で(笑)。「ロンリーソウルファイヤー」は、この武器はいらないかもって言ってる中で、「はん」か誰かが、「ひとり」で最後まで「絶対必要」と言い張ってたから、とか、そんな感じだったような。会社設立当初だったこともあり、武器の名前もタイトル名にしても、かなり自由な雰囲気で命名されていましたね。


ストーリー・作品解説

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トレジャーの「ゲームの作り方」