ストーリー・作品解説







群がる帝国軍を合体攻撃でなぎ払い、
悪玉グレイの野望を砕け!!

 「帝国」と名乗る独裁国家の指揮官グレイは、月に眠る伝説の破壊神“ゴールデンシルバー”を復活させるため、かつてガンスターズたちによって封印された4つの秘石と月へ行くための宇宙船「箱船」を発掘させた。

 だが、発掘現場でDr.ブラウンが発見したのはガンスターズが眠るカプセルだった。目覚めたガンスターズのレッドとブルーから、過去の悲劇を知ったDr.ブラウンは、彼らに協力することを約束した。

さあ、グレイの野望を打ち砕くため帝国軍に立ち向かう決意を固めたガンスターズは、強力な武器を手に、敵軍のまっただ中へと飛び出して行ったのである。

(「MEGA WORLD速報」より)





イメージイラスト

[寄稿] 堀井直樹有限会社エムツー

有限会社エムツー代表取締役。ゲームギア「ガンスターヒーローズ」、プレイステーション2「SEGA AGES 2500 Vol.25 ガンスターヒーローズ〜トレジャーボックス〜」開発

【トレジャー見参】

「“トレジャー”っていう聞いたことない会社がメガドライブでゲームを出すらしい」「どうもスーパーファミコンなどでバリバリのアクションゲームをつくっていた奴等の集団って話だ」――当時のゲーム誌を読んでいたメガドライバーたちは、ゲームに触ったライターの言葉の熱さに少々の違和感を覚えつつも、その事をさほど重要な出来事とは思わずにいました。ゲームの体験版配布などまだ想像もつかなかった頃のお話です。

メガドライブの色数の少なさを微塵も感じさせない美しい背景、ちょっと見た事のない独特のキャラクターデザイン、他のゲームとちょっとばかり毛色の違った画面写真に「今月の目玉!」とやけに熱っぽく推す言葉。それでも迷っている奴らに向けて、発売日前後の店頭のメガドライブ用什器には大抵『ガンスターヒーローズ』が「さぁ、こいよ」と言わんばかりに待っていました。

それまでメガドライブでは見たことのない「表現」と、小気味良いアクションと破壊の「爽快感」を存分に盛り込んだ『ガンスターヒーローズ』はメガドライバーのハートを鷲掴みにしました。後に「アクションゲームの世界にトレジャーあり」とまで言われるゲーム制作集団の作品だった訳ですから、無理もありませんでした。

次世代機を翌年に控えたメガドライブの末期、『ガンスターヒーローズ』でメガドライブに新しい世界をもたらしたトレジャーは、メガドライバーのハートにダイナマイツなデビューを飾ったのです。
トレジャー

ガンスターヒーローズ

【メガドライブの限界】

ハードの限界をものともしなかったのも『ガンスターヒーローズ』がメガドライバーのハートを鷲掴みにした理由のひとつでもありました。8Mbit [注1] という小さなROM容量とは思えないバラエティに富んだゲーム内容。ダイナミックかつ、滑らかに動きまくるボスキャラ。メガドライブの機能一覧を端から端までひっくり返してみても載っていない拡大縮小そして回転、すべてがちょっとした閃きと工夫とめんどっちい手間の積み重ねで、出来ています。

メガドライブに限らず当時のゲーム機には“ラスター割り込み”という機能がありました。TVの走査線にあわせて、ゲーム機もライン単位で画面を作っていたので、ラインを描き終わって次のラインを描き始めるまでの間にVDP [注2] への指示を差し替えたりできたのです。

『ガンスターヒーローズ』では、ライン単位で横方向にずらしてラスタースクロールを実現したり、2画面ある背景画面の表示の優先順位を入れ替える事で、沢山の絵が折り重なる奥行き感ある背景を表現したり、ライン単位で縦方向にスクロールさせて縦方向への拡大縮小を実現したり、メガドライブにあった縦方向に画面を分割スクロールする機能を組み合わせて回転を表現したりと、本当に多彩な画面効果を実現していきました。ここまでの説明が、そのほんの一部である程に。

ボスキャラの滑らかな動きも魅せ場のひとつです。沢山の動きをひとコマずつ絵を持っていたのでは、ROM容量がいくらあっても足りません。
【注1:8Mbit】
プレイステーション2のメモリカード8MByteをBit換算にし直すと64Mbitになる。ガンスターヒーローズ(8Mbit)とダイナマイトへッディー(16Mbit)とエイリアンソルジャー(16Mbit)を全部納めてもお釣りがくる。

【注2:VDP】
ビデオディスプレイプロセッサ。画面を描く機能を備えたチップ。

縦の分割スクロールを利用して、ハードではサポートされていない回転処理を実現。

縦の分割スクロールを利用して、ハードではサポートされていないオブジェクトや背景の回転処理を実現。

『ガンスターヒーローズ』では大きなボスを細かいパーツに分け、それぞれをパーツ単位できめ細かく動かして組み合わせる事で、ボスキャラ達は画面をなめらかに走り回り豪快に飛び跳ね、プレイヤーをやっつけにかかります。

あろうことか、ザコやプレイヤーキャラまでも上半身と下半身は別々のパーツになっており、少ない容量でもそれぞれを組み合せる事で走ったり、走りながら弾を撃ったりと多彩なアクションができるのです。

このような沢山の工夫の積み重ねで、トレジャーはメガドライブの限界を越えるゲームを生み出したのです。実際、開発中の『ガンスターヒーローズ』を見たセガのスタッフのなかには「次世代ハード(後のセガサターンの事)は、まだいらないんじゃないか」という声もあった程です。
セブンフォース

多関節でなめらかに動く巨大キャラ「セブンフォース」には、多くの人が驚きの声を上げた。

【アクションと爽快感】

クイックなレスポンスと多彩なアクション。多彩に輪を掛けるべく用意された武器合体システム。物につかまったり、弾を撃ったりしながら、画面中を自在にぴょんぴょんと跳ね回るだけでも、ちょっとしたキモチよさなのです。

敵の豪快なやられっぷりも『ガンスターヒーローズ』の特徴。それぞれのボスが手を変え品を変え、多彩なやられっぷりでプレイに応えます。ワラワラと無数に現れるザコですら地面を揺るがし、派手に大爆発して舞台から退場します。

低難易度のモードを選んでいる場合は、簡単に敵に当たるホーミング系の武器を選び、あとは避ける事さえ上手にできればキモチよくゲームを先に進めることができ、遊んでいる手ごたえを感じられました。高難易度のモードでは、弾のスピードやダメージ量だけでなく敵の行動パターンに変更を加えたり、攻撃方法自体を増やしたりとゲームを再構成しています。プレイヤーはそれを理解した上で、武器の性能とキャラのアクションの特性をきっちり活かさねば先へ進むことさえままならない歯ごたえのあるつくりになっていました。
敵を倒した時の爆風にも様々なパターンがある。

ザコ敵を倒した時の爆風にも様々なパターンがある。

【しんせかいの そうぞうしゅを よびさませ。】

『ガンスターヒーローズ』を作った彼らはその後も『エイリアンソルジャー(メガドライブ)』『ガーディアンヒーローズ(セガサターン)』『レイディアントシルバーガン(アーケード/セガサターン)』『爆裂無敵バンガイオー(ニンテンドー64/ドリームキャスト)』と、次々に新しいゲームを産み出していきました。

『ガンスターヒーローズ』のオープニングデモで“オレンジ”が口にする「しんせかいの そうぞうしゅを よびさませ。」という台詞は、当時旗揚げしたばかりのトレジャー、その一角で『ガンスターヒーローズ』のチームがいかに熱意と愛情を込めてゲームをつくっていたかの意気込みの表れのような気がしてなりません。
しんせかいの そうぞうしゅを よびさませ。

しんせかいの そうぞうしゅを
よびさませ。





【セガ&トレジャー】

「ガンスターヒーローズ」から始まったセガとトレジャーの関係は、メガドライブ以降、トレジャーが独自のブランドでソフトを発売するようになってからも続いており、“セガ&トレジャー”として多くの作品が世に登場している。


トレジャー開発のセガブランドゲームソフト

メガドライブ

■ガンスターヒーローズ (1993)

■マクドナルド トレジャーランド・アドベンチャー (1993)

■ダイナマイトヘッディー (1994)

■幽☆遊☆白書 魔強統一戦 (1994)

■エイリアンソルジャー (1995)

■ライトクルセイダー (1995)

セガサターン

■ガーディアンヒーローズ (1996)


ゲームボーイアドバンス

■ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密- (2003)

■アドバンス ガーディアンヒーローズ (2004)

■ガンスタースーパーヒーローズ (2005)

ニンテンドーDS

■BLEACH DS 蒼天に駆ける運命 (2006)


“セガの「ガンスターヒーローズ」”については、今回寄稿いただいた堀井氏が所属する有限会社エムツーが開発を担当したゲームギア版「ガンスターヒーローズ」が発売された。

その後も、トレジャーが開発したゲームボーイアドバンス版「ガンスタースーパーヒーローズ(公式サイト)」。そして、エムツーがオリジナル版を忠実に移植したプレイステーション2版「SEGA AGES 2500 Vol.25 ガンスターヒーローズ〜トレジャーボックス〜(公式サイト)」が発売されている。

また、2006年12月2日に任天堂より発売されたゲーム機「Wii」のバーチャルコンソールにて、メガドライブ版ガンスターヒーローズを遊ぶことができる。(公式サイト
『ガンスターヒーローズ』

『ダイナマイトヘッディー』

『ダイナマイトヘッディー』

『エイリアンソルジャー』

『エイリアンソルジャー』




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『ガンスターヒーローズ』の遊び方