インタビュー・前川正人

P1 - P2 - P3 - P4 - おもいでがいっぱい 

「職人集団」トレジャー

─  ここからはゲーム内容について。まずは、『ガンスター』のボスについてお話を伺いたいんですが、次々と登場する個性的なボスに当時は誰もが驚かされたものです。

■  ボスは全て「NAMI」がつくったもので、とくに「セブンフォース」は代名詞的存在のボスですね。

当時はVRAM容量的にもでっかいキャラを動かすのは難しかったんですよ。そんな中で、丸とか四角のパーツを組み合わせて、でっかいキャラをつくり、それをなめらかに動かしてやると、パターン等の容量を割かずに大きなボスが動かせるわけですね。

でも、やはりセンスで動かしている部分が大きく、本人も「魂込めなきゃ」と言っていますが、物体が動いているのではなくて、生物が動いているような「動き」、人とかライオンであったり、『エイリアンソルジャー』ですとウマであったり、……そういった動きを表現するには、プログラム的な技術ではなくデザイナー的なセンスとアイデアが必要だと思います。

『ガンスター』のボスのような動きをするキャラクターって、それまでのメガドライブでも珍しい存在でしたからユーザーには驚いてもらえたと思うんですよ。技術的なことはわからなくても、単にでっかい人型のものがなめらかに動いているだけでもインパクトがあったんだと思います。まぁ、実際のところ、あれは当時のハード性能から考え出された苦肉の策でもあるわけですが……(笑)。
セブンフォース

セブンフォース

セブンフォース

セブンフォース

セブンフォース

セブンフォース

セブンフォース

セブンフォース

様々な形態に姿を変える、グリーンの操るセブンフォース。
─  そのあたりは「職人集団」とも言われるトレジャーですから、プログラム的にもスゴイことやっているのではないですか?

■  「職人」とか「技術」とかいう言葉を聞きますが、技術っていうのは、たぶんプログラム技術のことではないと思います。実際、社内では、「技術の無いトレジャー」と冗談交じりに言ってるくらいですし(笑)。

例えば、先ほどの多関節のボスですが、プログラムの技術的にはスゴイ事は何もやってないんです。技術的な事は、関節をグルグル回しているだけなんで(笑)。ただ、見せ方やアイデアなどのセンスがあれば、すごいものになってくる。そこをスゲーと思ってもらえてるのかなと思います。動いてるものが面白ければ、プログラム技術なんてスゴクなくても良いじゃないですか。

─  ボスだけでなく、小さなキャラも動きが豊かですよね。

■  それは「はん」が受け持った部分ですね。「はん」のデザインするキャラはどれも動きが独特で、動いてナンボのところがありますからね。かなり細かく動きます。

その名も「ザコ」という敵キャラクターがいるんですが、ザコなのに動きのパターンはかなり多いんですよ。よーく画面を見てみると、余計なところでくだらん動きをしていたり(笑)。ザコだからと言って、「歩き」と「攻撃」と「やられ」とか数パターンかしかなかいと、やっぱり寂しいですよね。画面が止まっているとわからないかもしれないけど、ザコはとてもよく動くんです。そういうところがユーザーから評価されたのかなって思います。
ザコ

ザコ

ザコ

ザコ

ザコ

ザコ

注意して見てみると実によく動いている「ザコ」。
─  プレイヤーキャラのアクションも多彩ですよね。

■  「なんでもあり」と言った部分と通ずるものがあるのですが、開発をしているうちに、あれも入れちゃえ、これも入れちゃえと、どんどんプレイヤーキャラのアクションを加えていった結果だと思います。

企画段階では、しゃがみ、ジャンプ、スライディング、ぶら下がりから始まっても、実際に作って行くうちに、「こういうアクションも入れた方が良いんじゃない?」というアイディアが出てきますので、ジャンプアタックやダッシュといった格闘っぽく使える技や、さらには空中投げや大ジャンプに防御まで。「ほら、こんなんでどう?」「うん、良いね」って、そんなノリで。

『ガンスター』のプレイヤーキャラを作っているのは「やいまん」ですが、その後の他のタイトルを作成していても、私が「プレイヤーの最終仕様はいつ決まるの?」って聞くと、「それは一番最後でしょ」って答えますからね(笑)。

トレジャーのやり方だと、私が「ここまで」と言わない限り、開発は終わらないような部分もありますね。開発者はやっぱりトコトンまでやりたいものだと思いますし、逆に、開発者が「もうここまででいい」と言ったら、おしまいですしね。
企画書

「ルナティックガンスター」の頃の企画書。(PS2「SEGA AGES 2500 Vol.25 ガンスターヒーローズ 〜トレジャーボックス〜」に隠しフィーチャーとして収録)


トレジャーの「ゲームの作り方」

トップページにもどる

リプレイコミック「前川さんとガンスターヒーローズ」