先週に引き続き、『ダビつく』 シリーズの 「宮ちゃん」 でおなじみ、宮崎浩幸プロデューサーのお話が続きます。 情熱あふれる競馬の話と、 『ダビつく4』 へのこだわりについて、盛り上がっていきますよ!
後編 プロデューサー 宮崎浩幸 前編
——前週は、『ダビつく4』 がどんなゲームなのか、新要素を含めてお話を伺いました。 その中で宮崎さん自身の熱い想いや、オグリキャップの名勝負の話などが出たところで、今週はまず宮崎さんと"競馬との出会い"について聞かせてくれませんか?
宮崎■ うちでは日曜日になると父親がテレビで競馬中継を見ていたので、小学校の時から 「競馬とは、馬がレースをするものだ」 という認識はあったんですよ。でもね、中学2年の時にトウショウボーイとテンポイントという強い馬が現れて空前の競馬ブームになった頃、「競馬は、馬がただレースをするだけのものじゃない」 って思い始めたんです。
レースに出ている馬はいつか必ず引退し牧場へ帰りますが、数年後にはその仔馬が再びレースへと戻ってくるでしょう。 長いスパンで競馬を見ていくと、因縁や血統などいろいろなもので馬と馬がつながっているのがわかる。 そう、「競馬は、長い長い物語なんだな」、と気づいたんです。……それが僕と競馬との本当の意味での出会いだったのかもしれないですね。
馬に関するデータや用語、さらには周辺の文学や、とにかく馬に関するあれこれ……競馬が好きになると数珠つなぎにいろいろな情報を覚え始めるわけです。馬の血統にも注目し、競馬を「線」で見るようになったのも、その頃からかな。 ……それ以来、僕は競馬を見続けているし、ずいぶんと、いや、かなり大変なことになっちゃうくらい投資もしています (苦笑)。
——なるほど、熱いですね(笑)。さて、『ダビつく4』 の話に戻りますが、今の話にも出ていた 「血統」 は競馬において、かなり大切なポイントになってくるのでしょうか。
宮崎■ そうですね。「血統」 がレースにおいてどのような効果を生み出すのか、これは非常に面白い部分なんです。
——まずは、競馬における 「血統」 とはどういうものなのか、簡単に説明してくれませんか?
宮崎■ 一頭の仔馬には、お父さん馬(種牡馬・しゅぼば)、お母さん馬(繁殖牝馬・はんしょくひんば)がいますよね? でも、お母さん馬は一年に一頭しか産むことができません。一生の中で、わずか十頭ばかりしか産まないので仔馬に繁殖牝馬から受け継いだ特徴を見つけることは難しいんですね。
でも、お父さん馬は何百頭も仔馬を産ませるので、その特徴を見つけやすいんです。だから 「血統」 は、お父さん馬 (種牡馬) と、お母さん馬の父 (母父・ははちち)、このふたつで語られることが多い。 ……つまり、強い馬をつくるにはこの牡馬からの 「血統」 が大切だっていうことですね。
今回、『ダビつく4』 になって"古い世代の名馬"を入れることにより、配合の楽しみ方の幅が増えたと思いますよ。
——具体的には、どんな"古い世代の名馬"がいるんですか?
宮崎■ 例えば、"バックパサー"。「母父」 の位置にこの牡馬がいるとすごくいいと一般的には言われています。……今回の 『ダビつく4』では、"バックパサー" を使った血統構築もかなり有効的なんじゃないかな、と。
もっと古いところで言うと "エルバジェ" という馬がいます。とにかくスタミナがあって長距離に強いという特徴がある。 今までの 『ダビつく』 は、わざとそうしているわけじゃないんだけど、スタミナがつきにくかった……。その結果、長距離が勝ちにくいんですね。 だけど 『ダビつく4』 では、"エルバジェ "のような長距離を走るために産まれてきたような馬を血統に入れることにより、スタミナのあるいい仔馬が産まれるんじゃないのかなと思いますね。
「血統」 に関する部分は、できるだけ頭を使う要素も入れたいし、努力が報われるようにもしたい……。そこで、今回はこのような様々な特性を持つ "古い世代の名馬" を入れたというわけです。