宮崎■ ただ、これだけだとシンプルすぎるので、シミュレーションゲームとしてどれだけ戦略的な要素をもりこめるか、ずーっと同じことをやっていると退屈なのでそこをいかに工夫するか。そういうことを考えて開発しています。もちろん、そういったことを、どのような表現で伝えるかということが一番大事なんですけど。
——例えば、それはどういう部分ですか?
宮崎■ 例えば、レースシーンは見やすくきれいな画面で見てもらいたいし、実況はちゃんと実況アナウンサーの"声"で聞いてもらいたい。
「レース中の馬群をどのように見せるのか?」 ということが今までの 『ダビつく』 シリーズでの大きな課題でした……。
ずーっと画を引きっぱなしで見せれば、馬群は全部見えるんだけど、迫力がなくなってしまう。寄るだけ寄ると迫力はあるんだけど、どこに自分の馬がいるのかわからないでしょ?
そこで、カメラワークをどうするかというのは、毎回大きな課題になります。ストレートではカメラを引いて馬群全体を見せ、コーナーでは寄るなどして迫力を出しているんですが、そのリズムと角度を毎回工夫しているんですよ。
それから、今回はテキスト実況をなくして、実況は音声だけにしました。テキストと音声の同期をしようとすると、どうしても音声が遅れがちになってしまうから。臨場感を出すために、実況は音声だけにしました。
——これは、どれだけリアルにできるのか、という部分のお話ですね。
宮崎■ うん、一例ね。それから、「ずーっと同じことをやっていると退屈なのでそこをいかに工夫するか」 という問題。……それを解決するために、時間と共に変わる要素、あるいは時間と共に現れるイベントを入れていたんですよ。
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