宮崎■　うん。今回は、史上２頭目の三冠馬 "シンザン"、元祖アイドルホース"ハイセイコー"、怪物 "オグリキャップ" など、「伝説の名馬」 が登場しますよ、と。これが今回の大きなウリです。

—— 「伝説の名馬」 は、何頭くらい登場するんですか？

宮崎■　ＪＲＡが今年に限って、名馬５２頭をセレクトして、その名前を冠したメモリアルレースを開催しているんですよ。この名馬５２頭が 『ダビつく４』 に 「伝説の名馬」 として登場するんです。
競馬ゲームが好きで、今までに何本もやってきた人は、かなりワクワクする部分じゃないかな？

—— 「伝説の名馬」 とレースをすることはできますか？

宮崎■　特定の条件を満たしていると、「伝説の名馬」 に一騎打ちを挑むことができるんです。例えば、ＪＲＡの 「オグリキャップメモリアルレース」 は京都で行われるんだけど、マッチレース（一騎打ち）はオグリのデビューの地・笠松で行われる。
もう笠松でオグリが出てきた日には、ダートもうまいし、半端でない強さを発揮しますよ。

——当時のオグリファンにはたまりませんね。

宮崎■　ムカつくだけかもしれないね。強すぎて（笑）。

——……そういえば 「笠松」 って地方競馬場は、『ダビつく３』 にはありませんでしたよね？　これも新要素のひとつでしょうか？

宮崎■　前回はJRAの競馬場が10個、地方が３個、海外が３個という構成だったけど、今回は地方競馬場を４個 （笠松、船橋、園田、名古屋） 増やして計７個にしたんです。

ダートに強い馬ができても、ローテーション的に使うレースがないという状況も見受けられたので、それを解消するためにも、１年間を通して地方競馬場を使うことができるようにしたかったんですよね。それにね……。

——それに……？

宮崎■　すでに笠松競馬場は廃止の可能性もあると県の方からも言われているなど、地方競馬場は世の中的には、厳しいところも多くなってるんですよ。
中央の競馬はテレビでもやるから、みんな知ってるけど、地方の良さってなかなかわからないですよね……。ゲームを通じてでもいいから、地方競馬のコクみたいなものを伝えたいな、と。

——なるほど、新要素のなかにも、宮崎さんの競馬への想いが込められているようですね。ところで、宮崎さんは、いろいろな競馬場でたくさんのレースを見てきたことと思いますが、今までで一番シビれたレースって、何ですか？

宮崎■　オグリキャップが引退した有馬記念かな。…… 「オグリキャップ奇跡のラストラン」 と言われたこのレース。もちろん僕も中山競馬場で見ていたんだけど、それはそれは大変な騒ぎだった！

観客は誰もがもうオグリキャップは勝てないだろうと思っていたし、僕も最初は、「一瞬でもいいから見せ場をつくってくれればいいかな」 という気持ちだったんだけど、オグリが枠入りする時にブルブルブルブルって震えたんですよね。
馬がそんな風にゲートインで武者震いするところは見たことがなかったので、"なんじゃこりゃ" という気持ちになって、何かが起こるかもという予感はあったんです。

４コーナーでオグリが外を回って一気に加速していくと、「そのまま行けっ！」 という気持ちと、「最後まで持たないだろうな……」 という思いが交じりあい、気づいたら僕は中山競馬場の机の上に立ち上がって大声を出していた、らしいんですよ。叫び続けて酸欠状態になって、何も覚えていないんだよね （笑）。

走り出してからレースが終わるまでの２分30秒の間、オグリの走りを見ながら、自分の気持ちがどんどん昂ぶってきて抑えきれなかった……。

オグリが１着でゴールした後も、かなり長い時間、観客の歓声が鳴りやまなかったんですよ。それくらい奇跡。シビれた！　

……これまでのオグリのレースが一本の 「線」 でつながってね、まるで大河ドラマを見ているような、そんな錯覚を覚えました（笑）。▲ （次週へ続く）

今回は、『ダビつく４』 の新要素から、宮崎さん自身の競馬経験まで語っていただきましたが、次週は、さらにディープに迫ります！　宮ちゃんファンも、この記事で初めて宮崎プロデューサーを知ったかたも、ぜひ来週も読んでくださいね。

次回、12月9日の 「SEGA VOICE」 は、引き続き宮崎浩幸プロデューサーが登場。『ダビつく４』 の 「血統」 や 「馬の個性」 の話など、今週よりもディープな内容でお届けします。また、誰もが知りたい 「最強馬のつくりかた」 などについても、思う存分語って頂きます。どうぞお楽しみに！