インタビュー・大場規勝

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変更された敵キャラクター

─  …えーと、避けては通れないであろう話題に入りますが…敵キャラはアレでOKですか?(笑)

■  ぜんぜんOKじゃないっすよ。

『ザ・スーパー忍』には、0、1、2、3と実は全部で4つのバージョンが存在します。日本で発売されたのは0と3で、アメリカでは4バージョンとも発売されたはずです。当時は今ほど著作権に関してうるさくなくて……。

でも、少しずつ対応していって結果的に4つのバージョンの『ザ・スーパー忍』ができあがったわけです。

でも、似てるというだけで本物じゃないんですけどね…。古代怪獣だったら本物には背びれがあるけど、こっちにはないでしょ? (取扱説明書を開いて)これの名前はロッキー。秀逸でしょ?(笑)
ロッキー

グラフィック変更の対象になり、頭を丸めたロッキー。

─  スパイダーマンだけ、版権が取れている理由はなんだったんですか?

■  当時、すでにセガはスパイダーマンの版権を取っていて、アーケードで『スパイダーマン』を開発中だったんです。それでアーケードの『スパイダーマン』のプロモーションの一環……ということで、スパイダーマンを登場させたんですね。

だから「もっと似せて」と言われて、わざわざ似せてつくったくらい(笑)。倒しても死なずに去っていくのは、そういう理由もあります。

■ 

初期の6面ボスは、一定のダメージを与えると別の形態へ変身していたが、後に正式にスパイダーマンとなり、倒すと画面の外へ逃げて行き、次のボスが登場…と、完全に別のものとして扱われるようになった。

『SPIDER-MAN』

1991年にセガから登場した、アメコミタッチの横スクロール格闘アクションゲーム(使用基板:システム32)。スパイダーマンの他にホークアイ、サブマリナー、ブラックキャットがプレイヤーキャラとして登場。4人同時プレイも可能。
─  日本では、0が初期版、3が後期版として知られていますよね。この2つの違いを教えてください。

■  0と3で違うのはキャラクターだけ。いや、もしかしたらスパイダーマンの動きも違うかもしれない……。

0と3の見分け方は、タイトル画面で(C)が入っているかどうか。0も3も製品番号は同じだし、ここで見分けるのが一番早いかな。ちなみに3のほうが出荷された数は少ないです。
コピーライト表記

後期版は電源投入後にコピーライトが表示される

─  話はガラッと変わりますが、古代裕三さんの音楽も話題になりましたね。

■  うん、名曲揃いだよね。特にチャイナタウンの曲とかスゴクよかった。いっしょにやってよかったと思ったしウマも合ったので、次の『ベア・ナックル(正式名称『ベア・ナックル 怒りの鉄拳』1991年8月2日発売:メガドライブ)』も古代君にお願いしたんだよね。

─  効果音も古代さんですか?

■  効果音も古代君にやってもらいました。だから『ベア・ナックル』と似てるでしょ? 一部、同じものもあるし……(笑)。
古代裕三(こしろ ゆうぞう)

『イース』『ソーサリアン』『ザ・スーパー忍』『アクトレイザー』『ベア・ナックル』『ストーリー・オブ・トア』『カルドセプト』『シェンムー』など、数多くのゲームミュージックを手がける。

1990年、株式会社エインシャントを設立。

─  海外でも評判が良かったそうですね。

■  アメリカでCES(Computer Electronics Show、現在のE3の前身)というのが、6月にシカゴ、冬にラスベガスで行われる。

僕もぺーぺーだったし、毎年行ってたわけではないけど、『ザ・スーパー忍』の時は行かせてもらったんです。当時のゲームとしては、タイトル画面もよく動いていたし、多重スクロールで動くゲーム画面も、ショーでは反応がよかった。

昨年、E3で『Shinobi』を出展した時も、ものすごくたくさんの雑誌社の方が来てくれたのね。ハイスクール時代などにジェネシスでこの『ザ・スーパー忍』(海外では『The Revenge of SHINOBI』)を一生懸命遊んでくれた人たちが、社会人になっても『ザ・スーパー忍』を忘れずに訪ねてきてくれたんですね。そういうことが本当にうれしかった!

おまけに記事もいっぱい書いてくれたし(笑)。
E3 2002

2002年5月、アメリカ・ロサンゼルスで開催された「E3 2002」セガブースでの大場さん


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リプレイコミック「大場さんとザ・スーパー忍」