久保■　ただ斬るだけのゲームではなく、剣士の哲学を表現しようとしたゲームなんです。例えば、沖田総司は相手が起き上がるまで攻撃しません。そういう汚いことはしない。正々堂々と斬り合いたいという哲学を持っているからです。例えその後斬り捨てることになるとしても。

また、ゲームとして大切なのは、どの部分に爽快感を持たせるかだと思うんですね。
「幕末もの」 とか 「侍もの」 と言われるゲームが数多く発売される中、『新選組群狼伝』では他のゲームには無い部分に爽快感を感じて貰える様に開発していきました。それがこのゲームの肝である 「見切り」 です。

普通、刀を持ち向かい合い、次の瞬間死ぬかも知れない、そんな命のやり取りしている時、刀を振り回して襲いかかっていく奴なんかいないんですよ。いるとしたらそこには技もへったくれもなくて、単なる狂者ですよ。だからこのゲームでは、じりじりした間合いであるとか、剣と剣で斬り合う、その緊張感を生み出せればいいなぁと思って 「見切り」 というシステムを創ったんです。

—— 「見切り」 について、もう少し詳しく教えてくれませんか。

デモプレイのシーンにも入れてあるのですが、集団に囲まれている中で、四方から迫る全ての剣を“見切る”っていうのは、本当に格好良いですよ。

天才剣士や圧倒的な強さを持った人たちが、何もしてない相手をズバッと斬ってしまったら、格好良くもなんとも無いんです。圧倒的に強い人には、大人の余裕が必要なんです（笑）。

相手の攻撃を待って、見切った瞬間の 「見切ったぞ」 という優越感、相手側の 「なにっ！」 という驚き、いわゆる後手の先。
……この優越感があるから、相手を斬る時、そこに爽快感が生まれるんです。この部分が上手く伝わると良いですね。

——最後にメッセージをお願いします。

久保■　和月伸宏先生や松原秀典先生の描くキャラクターが好きな方、もとより新選組の好きな方、ゲームとして 『新選組群狼伝』 に興味を持ってくれた方、どなたにも満足し納得して頂ける、そんなゲームだと思います。

剣撃ゲームが好きな方がプレイしても、この 「見切り」 という他のゲームには無いシステムを楽しんで頂けると思います。また、『新選組群狼伝』 のこれから先の展開も楽しみにして欲しいですね。▲

次回２月24日の 「SEGA VOICE」 は、PS2 『実戦パチスロ必勝法！ 北斗の拳 Plus』 について、サミーの宣伝担当・岡本宣昭氏が大いに語ります！　まずは、前作が100万本達成することができた理由を岡本氏が分析。また、今作『〜Plus』 の新要素などなど、この作品の魅力をたっぷりと語っていただきます。