——『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 は、どのようなゲームなんですか？

内田■　前回の 『獣王記』 はあらかじめ決められた獣人にしか変身できないけれど、今回の 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 ではたくさんの獣人を用意して、どこでも使えるようにしました。プレイヤーは、その場の状況に応じてさまざまな獣人に変身することができるんです。

——ちなみにどんな獣人がいるんでしょう？

内田■　ウェアウルフ （狼男） 、マーマン （半魚人） 、ウェンディゴ （氷の巨人） 、それからガルーダ （怪鳥人） やドラゴンなど、さまざまな獣人に変身することができます。ガルーダに変身すると空を飛ぶことができるんですが、空を飛ぶだけで気持ちいいですよ。かつて 『ウイングウォー』 というフライトゲームをつくったので、私が細かい数字まで調整して、気持ちよーく飛べるようにつくったんです （笑） 。

それから隠し獣人も何体かいるんですが、その中のひとつはグリズリー （クマ） なんですね （笑） 。前作 『獣王記』 の時にも登場していて、日本では人気があったんです。スタッフ会議でも 「クマは外せない」 ということに決まり、登場することになりました （笑） 。
実はアメリカでは可愛すぎるからいらないと言われたんですけどね…… （笑） 。アメリカは、ベアと言うとテディベアをイメージするんですよ。

——残虐なシーンも出てくる 「バイオレンス・アクション」 ということですが、ゲームイメージは「怖い」感じなんですか？　

内田■　最初にウェアウルフの変身ムービーをつくりましたから、その雰囲気を大切にしなければならなかったんです。そうなるとバイオレンスという方向は外せなかったんですね。アメリカのマーケティング部からも、「どんどんやっちゃってくれ！」とアドバイスもありましたので、表現できるギリギリのところまでやってみました （笑） 。

ただ、我々は 『ダイナマイト刑事』 をつくったチームでもあるので、やはりアクションゲームをつくる上で爽快感は絶対に必要だという考えがあるんですね。まぁ、 『ダイナマイト刑事』 は爽快感さえあれば後は何でもいいという感じでつくりましたが…… （笑） 。 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 はその延長線上で爽快感とバイオレンスがうまくマッチして相乗効果を上げるように開発していきました。

——最後にメッセージをお願いします。

内田■　みんなが喜ぶものや、驚くものを見せたいといつも考えています。普通じゃないものを見せてやりたいんです。 『エイリアンストーム』 を開発してる時、ボスがかなりグロテスクに仕上がっていきました。

社内テストを行うと、女性従業員が 「気になるんだけど、怖くて見られない」 と。……これを聞いて、内心 「やった！」と思いましたね。気持ち悪いだけじゃ駄目なんです。"気になる"というところがポイントですね。

『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 で言うところの、変身シーンや、アクションシーンでの破壊表現といっしょなんです。「怖いんだけど、気になる」ものを、そういうコンセプトでつくられています。

前作の 『獣王記』 を遊び尽くした人も、今回の 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 が初めての方も、"気になる"　ものがたくさん散りばめられていますので、ぜひプレイしてみてください。▲

次回１月27日の 「SEGA VOICE」 は、ひきつづき『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 特集です！　内田誠スーパーバイザーにつづき、上海から奥本信一郎ディレクターが登場、　「家庭用ならではの味付けをほどこした」 と 『獣王記』 の魅力をたっぷりと語っていただきます。