segavoice vol10蘇る『獣王記』
AC 『獣王記』 の話から、バイオレンス・アクションとして生まれ変わった本作の開発秘話まで、2週に渡ってお届け。
第1週の今回は、AC 『獣王記』 のディレクターを務めた内田誠スーパーバイザーの登場です!
内田 誠 内田 誠  (うちだ ・まこと)
セガ上海 研究開発部 部長

1987年セガ入社、第1研究開発部に企画として配属。最初の作品はアーケードの 『獣王記』 で、以後 『ゴールデンアックス』 『エイリアンストーム』 など数々の名作を生み出す。1995年からはセガ・オブ・アメリカにて 『ダイナマイト刑事』 『エイリアンフロント』 などを発表。2002年にセガ・シャンハイを立ち上げ 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 をセガ (日本) と共同開発。
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  第1週 スーパーバイザー 内田 誠 第2週  

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第1週:内田誠スーパーバイザーが語る『獣王記』
 数々の名作を生み出した内田誠スーパーバイザーが、特にこだわりを持っていたという獣人への 「変身シーン」 や、バイオレンスと爽快感の関係など、 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 への熱い想いを語っていただきました。
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映画に一泡吹かせることはできないか?

―― 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 のお話を聞く前に、内田さんがディレクターを務めたAC 『獣王記』 (1988年) のお話を聞かせてくれませんか。

内田■  1987年、私がセガに入社した時、ゲームは映画に対してコンプレックスがあったんですよ。ゲームの表現力は、映画やテレビよりもずっと低くて、私はそれが悔しかった。なんとか一泡吹かせることはできないかと思っていました。

ちょうどその頃、映画 『ハウリング』 の狼男変身シーンや、マイケルジャクソンの 『スリラー』 を観たんですが、変身のディテールを表現するのにすごく苦労しているなと感じたんです。ゲームの世界だったら、CGで簡単に表現できるじゃん、と……。そこに着目して、私が最初に企画したのが 『獣王記』 だったわけです。

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『獣王記』 は 「システム16」 と呼ばれる 「大きな絵を出すことができる機能を持つ」 基盤で制作していたので、まずは画面いっぱいの変身シーンをドーンとつくったわけですよ。この変身シーンを中心に 『獣王記』 の世界観を構築していこう、と考えたんです。だから、開発が始まって最初の一ヶ月間は、私はデザイナーといっしょに二人三脚で狼の変身シーンだけをつくっていたんですよ (苦笑) 。おかげさまで本部長にも 「これなら映画に勝てる」 という言葉をもらって (笑) 、世の中にセンセーショナルなものを出せるという自信が生まれました。

――今回、その 『獣王記』 をリメイクすることになったのは、どのような経緯があったのでしょう?

内田■ ひとつの理由として、アクションゲームの題材を探した時に 『獣王記 (Altered Beast) 』 は海外で高い評価を得ていたことが大きいですね。Genesis (海外版のメガドライブ) に同梱されましたし、そのパッケージにも 『獣王記』 のイラストが印刷されていたんですよ。

それと 『ハウリング』 からだいぶ経ってから 『インビジブル』 という映画を観たんですね。この映画で最も衝撃的だったのは、体の内部組織が徐々に透明化してゆくプロセスを非常にディテールにこだわって表現していた部分です。
……ここまで変身のディテールにこだわった映像をつくれば、ゲームでもまた新しい変身の表現ができるんじゃないかと思いました。実は、前作の 『獣王記』 を開発した時から、何か新しいアイディアがあればもう一本 『獣王記』 をつくるのも面白いなと思っていましたので、すぐに 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 の仕様書を書き始めたというわけです。もちろん変身シーンから (笑) 。

――かなり変身シーンには、気合いが入っているようですね。

内田■ たった5秒間の変身シーンに対して、どれだけのものを詰め込めるのか。例えば、昔の 『獣王記』 でもそうなんですが、アドバタイズデモでドーンと目の部分だけが大きくなるんですね。それは "目" 自体がショッキングだっていうのがわかっているから目をクローズアップしました。残酷というより、ショッキングでディテールにこだわった表現をやりたかったんです。
……この変身シーンはアメリカでかなりウケがいいですよ。気合いを入れて仕様書をつくった甲斐がありました。


sega of america
▲ 1986年に設立されたSEGA OF AMERICA, INC. アメリカでのコンシューマーソフト販売の拠点となっているほか、現在はソフトの制作もおこなっている。

―― 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 の開発はどこで行われたんですか?

内田■ 企画はアメリカにいるときからやっていたのですが、製作は中国と日本との共同で行いました。

1995年から、私はセガ・オブ・アメリカで 『ダイナマイト刑事』 や 『エイリアンフロント』 を開発していたんです。 『エイリアンフロント』 の開発が終わったら、そのチームで 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 を担当し開発を進めようと思っていました。
ところが、今回の企画をゲームとして完成させるためには、膨大な時間とたくさんの開発スタッフが必要だということがわかってきたんです。このままでは開発を続けることができない……。

なんとかできないかと解決方法を探している時に、「中国で開発会社をつくるチャンスがある」 との話を聞いたんです。話をしてくれた上司には 「行けと言われれば、行きます」 と答えていたんですが、「だったら行ってこい!」 と言われまして (笑) 。……私とディレクターの奥本と、プログラマーひとり、デザイナーひとりが中国に行くことになりました。

2002年に中国・上海でセガ・シャンハイを立ち上げて、 『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』 の開発を日本側との共同作業で続けていくわけですが、そこにはまたたくさんの苦労があるわけです (苦笑) 。
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