——色づかいも、オレンジをベースとした暖色系が基調ですよね?
吉永■ このゲームの画面写真を見たとき、一発で 『きみしね』 だとわかって欲しかったんです。このゲームだけしか使わない色づかいにして、雑誌で一枚でも写真が掲載されていたら、すぐに 『きみしね』 だってわかるようにしようとデザイナーに相談しました。それで暖色系のこのような感じの画面になったんです。
——1970年代を思わせるような、とてもおしゃれな画面ですよね。
吉永■ そうですね。絵だけ見ると中身が想像できないけど、やってみると楽しくてくだらなそうな要素がたくさん入っている。そういうくだらなそうなものをやる時に、インターフェースデザインもマヌケにしてしまうと、品が無いかな、と……。やっぱり 「おしゃれ」 と 「くだらなそう」 のギャップで、両方がひきたてあうんです。
僕としては、『スペースチャンネル5』 の時もそうだったんですが、そのギャップを入れてゲームを構成するのが、なんとなく好みなんです。
——そういう意味では、あの一度聴いたら耳から離れないテーマ曲は、おしゃれなのかマヌケなのかわからないくらいインパクトがありますね(笑)。
吉永■ 『きみしね』 の公式サイトでも流れている、あのテーマ曲はセガ・クリエイティブセンター(旧ウェーブマスター)の幡谷尚史さんが作曲しています。
実はこの企画を考えた時から、音楽は幡谷さん以外にはないと思っていました。
スペチャンの時もそうだったんですが、幡谷さんはゲームに合わせてフレキシブルに曲をつくってくれるんです。ゲームの機能性を満たしつつ、芸術性の高い曲をつくってくれる。
この両方を満たしているサウンドクリエイターはなかなかいないので、やっぱり幡谷さんはスゴイなと思うわけです。今回は、「一回聴いたら一生忘れられない曲をつくってください」 とかなりワイルドな発注をしたのですが、本当に 「一回聴いたら一生忘れられない曲」 が出来上がりました。
—— 『きみしね』 をプレイしてみると、音楽がかなり大切な要素に思いました。
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