——非常にインパクトのあるタイトルですね。
吉永■ タイトルはなかなか決まらず、何度も何度もタイトル会議を重ねていたんですよ。メンバーは中裕司さん、小川陽二郎プロデューサー、私、マーケティング担当者などが中心になって、開発チームみんなで考え出した200〜300個くらいのタイトルを眺めながら、議論を続けました。
中さんの鶴の一声で 「今回は企画自体がチャレンジャブルなものだし、日本語のタイトルでいこう」 と決定し、インパクト重視でさらに選考していったんです。それでもたくさんのタイトル候補があったのに、一晩たっても忘れなかったのは 『きみのためなら死ねる』 だけだったんですね。それで、このタイトルに決めたんです。
——ちなみにどんなNGタイトルがあったんですか?
吉永■ 『こすりゲーム』 とか 『ケイン・コスリ』 とか、ただの駄洒落も多かったですが(苦笑)。最後まで残っていたのは、『電撃恋愛』 と 『きみのためなら死ねる』、『恋愛タッチ』 です。とにかく 『きみのためなら死ねる』(以下、『きみしね』) のインパクトが強かったんです。
——タイトルも変わっていますが、ゲームの中身も変わっていますね。
吉永■ 『きみしね』 は、ニンテンドーDSのために考えたゲームです。こっそりハードとの同日発売を目指していたので、「新しさ」 を感じてもらえるように、すべてに突出してないといけないと思いましたし、とにかく他のゲームとの差別化を図りたいと考えました。
ゲーム内容だけでなく、デザインも音楽もポップでキャッチー、かつゲームとしてはあまり見たことも聴いたこともないようなものにしたかったし、ストーリーやキャラクターにも気をつかい、システムもタッチパネルしか使わない。……そんな、可能なかぎりすべてを、他のゲームと差別化できるように心がけました。
また、ハードと同時に発売するならニンテンドーDSの最大の特徴であるタッチパネルを使うしかないだろうと思っていたので、「さわる」 ことを一番の楽しみにしたゲームにしたんです。
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