PS2 『シャイニング・ティアーズ』 の発売を記念して、
開発プロデューサーのこだわりに関する話から、
新進気鋭のイラストレーター Tony さんによる、
キャラクターデザイン秘話まで2週に渡ってお届けします。
第1週の今回は、澤田剛開発プロデューサーが登場です。

澤田剛 (さわだ・つよし)
『シャイニング・ティアーズ』 開発プロデューサー

R&D戦略企画局 編成部所属。 1992年セガ入社、マーケティング部門出身で、ユーザーリサーチやラインナップ戦略に関わる業務を担当しつつ、『ル・マン24アワーズ』 の日本版移植なども手がけるマルチプレイヤー。全面的なプロデュースは 『シャイニング・ティアーズ』 が初の作品となる。
左側タテスペース

 第1週 開発プロデューサー 澤田剛   第2週 

左側タテスペース
左側タテスペース 左側タテスペース
 "シャイニングプロジェクト"第2弾 『シャイニング・ティアーズ』。
『シャイニング』 シリーズのエッセンスを引き継ぎながらも、新たな要素満載のアクションRPGとして生み出した澤田剛開発プロデューサーに、『シャイニング・ティアーズ』 へのこだわりとその想いを語っていただきました。
左側タテスペース 左側タテケイ
――『シャイニング・ティアーズ』 開発開始までの経緯を聞かせてください。

澤田■ セガがハードメーカーを辞めてソフトメーカーとして新たに出発しようとしたときに、国内向けのRPGというのはやはり、とても重要なジャンルでした。ですので、 セガとしてもRPGをブランド化したかった。そこで、かつてはセガの看板RPGであった 『シャイニング』 シリーズを再生するということが使命だと思ったわけです。

セガが持つRPGのブランドとしてはもうひとつ 『ファンタシースター』がありますが、こちらは 『PSO』 という新しい切り口での再生を実現しました。シャイングも新しい切り口で復活を果たさなければならない、そこで知恵をふりしぼり、私としては 『シャイニング』 シリーズのエッセンスを大切に引き継ぎながら、今のユーザー、時代にマッチした要素をふんだんに盛り込んだ作品にしようと、そのようなコンセプトを考えて開発はスタートしました。

『シャイニング・ティアーズ』 は、『シャイニング』 のなかの新しいシリーズで、全く新しいユーザー層に楽しんでもらうことを想定していますので、『シャイニング』シリーズではありますがほとんどルーキーのようなタイトルだと思っています。

――ジャンルは、RPGなんですか?


キャラクターデザイン:Tony

澤田■ アクションRPGです。シャイニングシリーズは、3DダンジョンRPG、シミュレーションRPG、アクションRPG、と様々に形を変えてきました。だから、世界観をはじめとするシャイニングのエッセンスは引き継いでも、ジャンルにしばられる必要はないと思ったんですね。それで、今回はアクションRPGというわけです。

―― 『シャイニング・ティアーズ』 の、『ティアーズ』 というタイトルには、どういう意味があるのでしょうか? 

澤田■ 『シャイニング・フォース』 って名前は、響きがすごくいいと思うんです。
だから、本作もそれに近い形で響きのいい組み合わせをさがしていたんです。そのなかで決定したのが 『シャイニング・ティアーズ』 なんですね。まずは響きのいいもの(笑)。

……もちろん、それだけではなくてこのタイトルにはいろんな意味が込められています。『ティアーズ』 というのは、直訳すればもちろん涙という意味ですが、これがゲームの中のさまざまなものの象徴になっているというわけです。

例えば、ストーリー的には、今回の 『ティアーズ』 は楽しく冒険をして進んでいくRPGの王道のような物語ではなく、ひとつの都市がどんどん攻められて、そこを防衛するという若干暗めの物語なんですね。キャラクターもかわいいんですが、そこはかとなく悲しいイメージも持っている。そういう部分と、涙=ティアーズを重ねているわけです。

――ひと言で説明すると、『シャイニング・ティアーズ』 って、どういうゲームですか?

澤田■ ひとつの城塞都市を守るため、たった "ふたり" で敵の大群に立ち向かうゲームです。

ジャンルはアクションRPGなんですが、『シャイニング・フォース』 的なところをアクションに盛り込んでみたかったので、基本的に敵側はタクティカルなんですよ。都市を守るのはあくまで "ふたり" だけど、敵側は大集団。

 

――面白い設定ですね(笑)。

澤田■ まず戦闘することが楽しいゲームにしようと思ったんです。
私は戦記物とかファンタジーが好きなんですが、映画などでは 「ひとつの砦を守るだけ」 で2時間終わっちゃうものとか、あるじゃないですか(笑)。

小説なんかの設定としては珍しいというわけではないシチュエーションだけど、ゲームということで考えれば、そういう切り口は面白いかな、と。
だから、最初の企画書には 「冒険しないRPG」 なんていうキャッチコピーが書いてありました。逆に、敵が冒険して、やって来るんですよ(笑)。

――"ふたり"というのは?

澤田■ プレイヤーの操作する、主人公キャラ・シオン。それから、シオンのパートナー。このふたりです。

『ティアーズ』 は新感覚のプレイ感を楽しめるアクションRPGで、ふたつのアナログジョイスティックを使ってパートナーとなるキャラクターを自分で能動的に操作をするところがポイントなんですね。

一度にふたつのキャラを操作する新しさ。"ふたり "のキャラクターで、敵の大集団をやっつけていくという面白さ。この部分は、今までのゲームでもあまりなかった面白さだと思います。


――もう少し詳しく聞かせてください。

澤田■ 主人公の後をNPC (ノンプレイヤーキャラ) が追いかけてくるRPGは昔からいっぱいあったけど、それに比べて 『ティアーズ』 はパートナーとなるキャラがいなければ戦えないくらい大事な存在なんです。

だから、実はこのゲームはふたりでも遊べるようにも作ったんです。ひとりでシオンとパートナーを両方操作してもいいし、兄弟や友達同士などふたりでそれぞれのキャラを操作してもいい。

ふたりで遊べるRPGって楽しいじゃないですか。……でも、大変だったのは、ひとりで "ふたり" のキャラを同時に動かす、という新しいゲーム性と、ふたりで遊んだ時に面白いという部分を両立させることですね。


▲ふたりで協力する、"リンク技"のひとつ、「アイスウォール」。ひとりで遊んでも、ふたりで協力して遊んでも楽しい。



――ふたりで遊んで楽しくするために、具体的にこだわった部分があったら教えてください。

澤田■ こだわったのは、視点です。ジオラマのような 「箱庭感」 を大切にしました。フィールドもキャラクターも実は2Dで描いているんですね。いまさら2Dか、との意見もあると思うんですが、基本的には "ふたり" の位置関係がすごく重要なゲームなので、敵も全部見えなければいけないんです。
3Dにすると、パートナーがどこにいるのかわからないゲームになってしまうので、最初から視点を固定して2Dにこだわったんですね。ただ、画面はハイレゾ表示なので、見た目も美しいですよ。実はあれほどクオリティの高いハイレゾで、あれほど多くのキャラを表示しているのは、技術的にもすごいんです。敵の大群のなかで戦う"ふたり"というシチュエーション、つまり 「うじゃうじゃ感」 っていうのかな、そういう雰囲気もよく出せたと思います。

本格的にふたりで遊べるということは、ひとりで遊ぶ時と、ふたりで遊ぶ時の楽しみ方が全然変わるということ。
……そこを目指して開発し、最終的にはかなりうまくいったと思います。RPGをふたりで遊ぶという部分は、今までのゲームのなかでも、もっとも充実させた自信がありますね。 →次ページへ

スペース
スペース 今週のトップへ 次のページへ
スペース
SEGA公式今週のトップへ スペース
  Copyright(C)2004 SEGA Corporation. All Rights Reserved.
backnumber backnumber