——「十年待たせたな。」 というキャッチコピーは、なかなか秀逸で目を引きますね。
下村■ もちろんアキラの決め台詞 「十年早いんだよ!」 に対するキャッチコピーなんですが、これはデザインチームの案でして、でも実は捨て案として挙がっていたものだったんです(笑)。
ミーティングの時にこのキャッチコピーを見て、これが一番いいじゃないか、とすぐに決定しました。エイジスのコピーは殆ど僕が作るのですが、僕のコピーはどれもくどかったり長かったりするのですが、今回は 「十年…」 が 『VF2』 そのものを体現していて、且つファンなら "にやり" としてしまう、本当にピッタリくるコピーになったと自負しております。
他に挙がっていたのは、「伝説を作った戦士達、甦る。」 とか 「VF2、参戦。」 など、いろいろありましたね。『VF2』 は今年で10周年ということで、"十年" という言葉が入るのはタイミング的にもよかったと思います。
——今回の 『VF2』 は、アーケード版を開発したAM2 Div.が自ら開発したそうですが、それまでの経緯を教えてください。
下村■ VFシリーズは、「SEGA AGES 2500」 というプロジェクトを進めるにあたって、避けて通れないシリーズだと考えておりました。基本的に 「SEGA AGES 2500」 シリーズは外部の開発会社に開発を頼むのですが、今回の 『VF2』 に関しては技術的な障壁もあるでしょうし、リメイクをするにしてもどのようにアレンジしたらいいのか迷いがあった……。
そこで、AM2 Div.の片岡洋さんに技術的な部分で協力していただけないか、など相談させていただきました。
すると片岡さん曰く、「技術協力するくらいなら、オレ達が一からつくるよ」 と。
「AM2 Div.がつくれば間違いないものができる。ただし、うちはリメイクをするつもりはない。なぜなら、リメイクはゴールがたくさんあるから。いい完成例もあるけど、悪い完成例もある。でも、完全移植であるならば、ゴールはひとつ。ユーザーさんも喜んでくれるに違いない。だから、完全移植ということであれば、AM2が 『VF2』 をつくってもいいよ」 との言葉をいただきました。……もちろん、「ぜひお願いします。それ以上のものはありません!」とお返事したわけです。 |