PS2 『SEGA AGES 2500シリーズ Vol.16 バーチャファイター2』 の発売を記念して、「SEGA AGES 2500」シリーズの下村プロデューサーが登場。
さらに、特別企画として、 『VF2』 の鯨井ディレクターのテクニカルノートを掲載しました。

下村一誠 (しもむら・かがせい)
『SEGA AGES 2500』 シリーズプロデューサー

1992年セガ入社、海外事業部に配属になり、ドリームキャストの立ち上げとともにコンシューマ事業部へ。セガサターン後期とドリームキャスト時代にはソフトライセンシーとの渉外業務を担当。その後、マーケティング部隊に異動し、PS2 『サクラ大戦〜熱き血潮に〜』 のマーケティングディレクター、PS 2『カルドセプト セカンド エキスパンション』 のプロデューサーを務めた後、「SEGA AGES 2500」 のプロジェクトを立ち上げる。現在はXbox版 『OutRun2』 マーケティングディレクターを兼務。
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 プロデューサー 下村一誠   

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 下村プロデューサーに 「SEGA AGES 2500」 シリーズを振り返ってもらうとともに、完全移植を実現した 『バーチャファイター2』 のお話をお聞きしました。
 さらに今回は、鯨井ディレクターによる技術者も必見の SEGA AGES 2500 VF2メイキングマニアックス をスペシャルコラムとして掲載しました!
今週のSEGAVOICEは、すべての 『バーチャ』 ジャンキー必読、スペシャルバージョンでお送りします!
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――「SEGA AGES 2500」 とはどのようなブランドなのでしょうか?

下村■ 「SEGA AGES 2500」シリーズは、我々セガと、「SIMPLEシリーズ」でおなじみのD3パブリッシャーさんが共同で立ち上げた会社、株式会社スリーディー・エイジス社の1ブランドです。ひとりでも多くの人たちにセガの過去の名作を知ってもらおう、そして低価格でご提供してひとりでも多くの人たちに楽しんで頂こうということで立ち上げました。セガは基本的にタイトルのライセンスアウトと作品監修を行い、開発全般はD3パブリッシャーさんが仕切る。販売はセガの流通網で流す、と。ざっくり言うとそういうプロジェクトです。

プロジェクトのコアコンセプトとしましては、「セガの過去の作品を現代の技術で再生し、多くのユーザーに広く知らしめる・喜んで頂く」 ということでして、その方法論としては 「リメイクしていこう」 というものでした。というのも、ドリームキャストやサターンなどに、過去にもベタ移植されているタイトルをわざわざPS2にベタ移植する必要があるのか、という考えがありまして……。




――今までにどのようなタイトルが発売されたのか、教えていただけますか?

下村■ 今回発売された 『VF2』 を入れて、16タイトルを発売しています。
セガの名作RPGと評される 『ファンタシースター』 のリメイク作品 『generation: 1』 や、一部のユーザーさんから "神ゲー" と呼ばれるほど高評価をいただいている 『モナコGP』、今でも売れ続けている 『イチニのタントアールとボナンザブラザーズ。』 『ぷよぷよ通 Perfect Set』 などなど。初期7作品については特にそうなのですが、D3パブリッシャーさんの良さというか、"味" が凄く上手く出ておりまして、『モナコGP』 などはD3パブリッシャーさんだからこそ出来得た作品だと思っております。

セガマニアのなかでも移植の要望が高かった ゲイングランド』 は、ユーザーから寄せられる要望を逐一拾っていき、当時の開発者や、社内の 『ゲイングランド』 マニア、ドリマガ編集部などに監修してもらいながら開発しました。ユーザーさんの要望は僕の目の届く限り拾っていったつもりですので、遊ばれた方の満足度は高いのではないでしょうか。埼玉最終兵器さんのサウンドも秀逸ですしね。
残念ながら「素材」自体がマニアックなものですので、売り上げは爆発的に伸びている、といった嬉しい状況ではないのですが(笑)、移植の方向性としては成功したと思っています。

しかし、「SEGA AGES 2500」 は16本すべてのタイトルの移植が成功しているわけではありません。セガに寄せられる意見や、ユーザーさんの間での評判など、目の届く限りの意見はすべてチェックしていますので、良い評価が得られていないタイトルもあることは重々承知しています。それは今後の課題として、改善をしていく方向で取り組ませて頂いております。
「次に期待して下さい」 というと大変失礼に聞こえるかもしれませんが、頂戴したご意見を1件1件反芻しながら、「次こそは!」 の意気込みで取り組ませて頂いております。


――下村さんの、お気に入りのタイトルは何ですか?

下村■ 『バーチャレーシング フラットアウト(以下、『V.R.』)』 は、評価していただいてる方とそうでない方が半々くらいのようですが、自分としては気に入っているタイトルです。
原作者である裕さん(鈴木裕)に監修してもらいまして、その際に出た指示事項が、「究極のフラットシェーディングを目指しなさい」 ということでした。その点は、D3パブリッシャーの開発プロデューサーさん、開発会社さんと 「あーでもない、こーでもない」 と言いながらも形にしていった想い出があります。

その中でも一番に苦労したのは車体の影の付け方で、今のどのレースゲームを見ても 『V.R.』 ほどくっきりと影を付けているゲームはないんですね。開発と裕さんの間に立って "影の付け方" を密に話をして開発したので、影に注目してくれると 『V.R.』 はけっこう楽しめるかなと思ってます。初級コースの橋の下をくぐる際の影の落とし方、車体への映り込みは迫力がありますよ。是非とも影に注目してプレイしてほしいな、と(笑)。

『フラットアウト』 という新しい名称は、苦労はしながらも裕さんから指示された事項が実現できた、そういうことで裕さんから頂いた新しい生命なのです。


――当初はリメイクをコンセプトに始まった 「SEGA AGES 2500」 ですが、『北斗の拳』 にはリメイク版に加え、原作となったセガマーク3版が収録されていました。
そして、今回の 『VF2』 は完全移植ですよね。リメイクという方向性はぶれていないんでしょうか?

下村■ コンセプトで言えばぶれていないと思います。『北斗の拳』 で、オリジナルのセガマーク3版も収録したのは、ひとりでも多くの人に楽しんでもらいたいからという気持ちと、マーク3版があまりにも名作だったから。これは間違いなく歴史に残る一作でしたので。

"リメイク" という方法論は、『北斗の拳』 や 『VF2』 を見る限り、ちょっとずつ揺らいでいるのでは?とお感じになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、当初からの理念にはまったくぶれがありません。
リメイクすることが理念ではなくて、冒頭でお話した通り、「過去の作品を現代の技術で復活させること」、それ以上に「一人でも多くの人たちにセガの名作を知って頂く、楽しんで頂くこと」 こそが理念なんです。

例えば、『モナコGP』 が登場した79年には生まれていないユーザー様もいらっしゃる訳です。
タイトル名は知ってるんだけどプレイしたことない、プレイしたいがハードやソフトがもう存在しないというユーザー様もいらっしゃいます。
そういった多くのプレイ障壁が過去の作品にはつきまとう訳です。そういう視点から考えると、リメイクであろうとベタ移植であろうと、PS2にするという時点で新しい技術を導入しているわけですし、ユーザー様にもご認知頂けるのですから、……やはりまったくぶれていないと言えるのではないでしょうか。


――お店によっては 「SEGA AGES 2500」 シリーズ専用に棚を用意して応援してくれているところもありますね。

下村■ 非常にありがたいことです。「SEGA AGES 2500」 ブランドっていうのは、セガでは今まであまり得意としてこなかった低価格帯のソフトなんですね。
普通、通常価格帯のソフトビジネスでは発売後数週間でセールスがぱったり止まったりすることも多いのですが、1年以上も前に発売された『ファンタシースター』がまだ棚に並び、毎週少しずつ売れている。
このように店頭での1ジャンルとして棚を確保することができるというのは、低価格帯のソフトを長いスパンで売っていくために非常に大切なことなのです。

タイトルを定期的に発売していくことで、僕たちの新しいチャレンジはずっと続いている。だから、「SEGA AGES 2500」 は息の長いセールスが実現できているのだと思います。 次のページへ→


 
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