——キャラだけではなく、アクションも、ワイヤーアクションをはじめとした、『バーチャファイター』 の技以外のものが登場したのには理由がありますか?

大崎■ そうですね、『バーチャファイター』 の技って、アクションRPGで使うにはリアルすぎるんですよ。衝撃波もでないし、敵が殴られて、バシャーンってふっとぶ、とかないんですね。基本的に人間ができるモーションしかしていない。『バーチャファイター4』 で、ヒットマークの光るエフェクトが入ったんですけど、これにだって僕たちの間では、ものすごい議論をしたくらい、ストイックなゲームなんです。だから、ローティーン向けのアクションRPGでこれらの技を使うには少し地味な印象があるんですよね。

それから、『バーチャファイター』 は基本的に1対1のゲームだから、戦いが横軸になっていく。でも、『サイバージェネレーション』 の場合、人間が動ける範囲すべてに敵がいる。ジャンプやよじ登りといった動き以外で、そういった場所にいる敵と戦う場合、なにか手触りのいいものがほしかった。そこで登場したのが、ワイヤーアクションなんです。

ワイヤーを使うことで、いろんなことができるようになりました。ワイヤーでコンボをいれることだってできるんですよ。浮いている敵のところにワイヤーをつなげて自分のほうに引き寄せる、もしくは自分が敵のほうへいく、で、三段蹴りで叩きおとして、さらにバウンドしたところに 『バーチャ』 技を決める。それくらいしないと気持ちがよくないんですよ。


——うまく 『バーチャファイター』 の技と融合した感じですよね。

大崎■ アクションが気持ちよくないとまずだめなんです。根っこは 『バーチャファイター』 ですから。でも、『バーチャファイター』 とまったく同じことをやってても、絵的な派手さや、空間の広がりがないからものたりない。そういう意味で、ワイヤーアクションと 『バーチャ』 技がうまく融合して、すごく気持ちのいいアクションを作れたんじゃないかな、って思ってます。

——コミックスのお話をお聞きしてもいいですか?

大崎■ 『月刊コミックボンボン』 での連載ですね。これはすごくいい相乗効果を生んでいると思います。ゲームとマンガでうまく補完しあえているんです。ゲームのなかで描ききれなかった、ストーリー、たとえば、主人公の日常生活とかが詳しく描かれています。逆に、ゲームのほうでは、マンガでは表現しきれないアクションが味わえます。

——漫画家の松本久志先生とは、打ち合わせを細かくおこなっているんですか?

大崎■ 最初のころはやっていましたが、松本先生が書き上げたものを見たら、「もうこれは完全にお任せして大丈夫」 と、判断しました。松本先生自身が、『バーチャファイター』 を好きでいらっしゃるんです。
『ボンボン』 の編集部にも好きなかたが多いようで、すごくありがたいし、やりとりはとてもやりやすいです。

体験版も付録として付けていただいたんですが、コミック誌にゲームの体験版が付録としてついたのは初めてなんです。『サイバージェネレーション』 はやっぱりアクション部分がすごく気持ちいいので、まず遊んでほしい。だから、マンガでストーリーを補完して、体験版でアクションを味わってもらえたのはよかったですね。



▲ワイヤーアクション、バーチャソウル、シナプスボンバーといったアクションの組み合わせが爽快感を生み出した。

 

▲ 講談社「月刊コミックボンボン」 連載中の、『バーチャファイターサイバージェネレーション』。 イラスト/松本久志

——体験版をつけて、アクション部分を実際に遊べたのはよかったですね。やはり、アクションの部分にはこだわりがありますか。

大崎■ もちろんです。最初にも言ったとおり、『バーチャファイター』 の種まきってところで、『サイバージェネレーション』 はとっつきやすい 『バーチャファイター』 なんです。 『バーチャファイター』 がアクションが駄目だと 『バーチャファイター』 ではないんです。ゲームとしてはとっつきやすいとしても、絶対アクションでは妥協できない。ストーリーややり込み要素もこだわっていますが、 あえて言うなら当たり前の部分であるアクションの部分を最重要視しました。その結果、簡単にやれて奥が深い、そんなゲームになったと自負しています。 だからこそ、こだわった部分に触れてほしい。それがもう、一番の気持ちです。

——『バーチャファイター』従来のファンへのメッセージはありますか?

大崎■ 『バーチャ』 キャラがちゃんと自分の境遇を語ることはいままでなかったので、その部分は体験してほしいです。バーチャソウルを集めると、その話が聞けます。
アキラが三木眞一郎さんの声で、パイが高山みなみさんの声で、 『バーチャ』 キャラ自身が自分の声で生い立ちや境遇をしゃべる。これは、ゲームができた後で、我ながら 「なかなかいいもんだなー」、って思いました (笑)。 がんばって全てのバーチャソウルを探して欲しいです。

ストーリーも、『バーチャファイター』 の世界とリンクしている部分がそこかしこにあります。やりこんでる人には絶対わかるような、そんなツボに入る部分を、ファンの人には味わってほしいですね。



PS2,GC『 バーチャファイター サイバージェネレーション
〜ジャッジメントシックスの野望〜』
発売日:2004年8月26日  価格:6800円 (税込7140円)
アクションRPG
● 『サイバージェネレーション』 公式サイト
● 『サイバージェネレーション』 製品紹介

セガダイレクト 『サイバージェネレーション』

次回は、日本が世界に誇る漫画家、手塚治虫氏の作品 『どろろ』 をアクションアドベンチャーに仕立て上げた今枝賢一ディレクターが登場! 名作 『どろろ』 をゲーム化するに至った経緯、沙村広明氏、雨宮慶太氏ら有名デザイナーを起用した理由など、気になる話が盛りだくさんのインタビューです。


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