—— 『サイバージェネレーション』 で舞台になっている、 電脳世界ネクサスと『バーチャファイター』の世界とのつながりってあるんですか?

大崎■ うーん、『バーチャファイター』 の舞台よりは少し未来の世界ですね。『バーチャファイター』 のなかで、ジャッジメントシックスって登場してきたと思うんですが、

——たしか 『2』 のときにでてきた組織ですよね。

大崎■ いや、本当は 『1』 のときからあって、幹部のイラストとか設定とか揃ってました。
"ムーン" とか "デビル" とかすでにいたんですよ。
で、"ムーン" は 『サイバージェネレーション』 でジャッジメントシックスの重要な敵役として登場する。テロを支援したり、国際紛争のコントロール、といった彼が行っている陰謀は、実はふたつのゲームのなかで、ちゃんとリンクしているんです。

『バーチャファイター』 で、なぜ、『バーチャ』 キャラ達を戦わせたかというと、ジャッジメントシックスが、2足歩行兵器を作るため、つまりデュラルを作るための格闘データを採集してたわけです。
『サイバージェネレーション』 の物語は、ある事件でそれらのデータが流出した、というところからスタートします。『バーチャファイター』 の格闘データ、つまりこのゲームでは "バーチャソウル" と呼ばれているデータを手にいれれば、あっという間に技も身につくし、どんなセキュリティでもやぶれるようになる。

ですから結局、『サイバージェネレーション』 が、近未来的な電脳世界、ネクサスを舞台にしているのは、格闘データ "バーチャソウル" を中心に話を構築しやすかったからなんです。


▲ジャッジメントシックスの幹部、ムーン。すでに 『バーチャファイター2』 の時点で名前だけは明らかになっていた。

 

▲ ジャッジメントシックスが収集したバーチャソウルの流出が、主人公たちの世界に大きな事件をもたらす。

『バーチャ』 キャラそのものを主人公にしなかったのには理由があって、アキラにしろジャッキーにしろ 『バーチャ』 キャラって、確固たるイメージができてる。これはもう10年間積み上げてきたものがあるから、簡単には崩せない。

—— 『バーチャ』 のキャラが、RPGの主人公として動き始めたら、違和感ある人はぜったいでてきますよね。

大崎■ 絶対にでてくる。アキラはこうじゃなきゃ、とかウルフはこういう性格、とか、ユーザーによってのキャラ像ってすでにできているでしょ。それから逸脱することはできないんですよ。それだったら、まったく新しいキャラのほうがゲーム的広がりが出てくるんじゃないかと。 次ページへ→

 



●『5』 について

『バーチャファイター4』 の次はもちろん、『5』 なのですが、『1、2、3』 はテクノロジーの進化だったのです。『1』 はローポリゴンだけど、リアルなモーションで動く。『2』 はそれにテクスチャーがついた。60fps になった。『3』 にはアンジュレーションや避けが入った。『4』 は、対戦に関する部分だけでなく、 VF.NET を使ったキャラクターカスタマイズや、コミュニティやチームを作れるとか、いままでとは違った進化をしています。 『4』 はネットとゲームセンターがくっついて、ちょっといまどきの 「未来感」ってものを提供できたと思うんです。 『5』 については、今のところ秘密にさせてください(笑)。

●ワイヤーアクションを使うキャラの登場

それはありえませんね(笑)。絶対に。『バーチャ』 はやっぱり、リアルな世界観ですから 。基本的に殴られて痛いと感じるとか、そういった部分が基本と してありますので。

●メジャーな驚き

『バーチャファイター』 は結局対戦格闘ゲームで、その部分は大きく変えられない。ある程度の 『バーチャファイター』 のセオリーは守る必要がある。でも、シリーズごとにメジャーな驚きを提供するのが 『バーチャファイター』 だということを、宿命づけられているんです。
どういうことかというと、一言で伝えられるキャッチコピー、それが必要なんですよね。『バーチャファイター4』 でいうところの、 「カードとネット」 とか……。そういうメジャーな驚きがないとだめなんです。

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