しかし、日本のゲーム市場を見たときにRPGより大きなシェアをもつジャンルはないわけで、一番お客さまが欲しがっているのがRPGなのだから、やっぱりセガはRPGをつくらなくちゃいけない。そこで、「セガを代表するRPGであるシャイニングを、もう一度きちんとやろうよ」 って話になったんです。
6年ほど休んでしまったシャイニングですが、これからはシリーズとして、例えば毎年1本は新作が出るように長期的な展望を持ってやっていこう、と決めました。これが今回の 『シャイニング』 シリーズの復活であり、つまり "シャイニング・プロジェクト" なんです。
——竹崎さんが就任した 「プロジェクトマネージャー」 とは、"シャイニング・プロジェクト" でどういった役割なんですか。
竹崎■ 『シャイニング』 シリーズをどんなラインナップにしていくのか、どんなスタッフでどのような予算でいつまでにつくって、どういったマーケティングをして、どんなタイミングで発売していくのか……。シリーズ全体をひとつのプロジェクトというか、「事業」 として把握して、いくら投資して、いくら回収できるのか、というところまでを見る役目です。
つまり企画の立ち上げから、発売してみなさんの手に届くところまでずーっと作品を見続ける進行担当であり、同時にお財布係でもあり(笑)、作品の内容も含めて大きな意味でのプロデュース的立場となるのが、プロジェクトマネージャーらしいです。新しくできたばかりの仕事なので試行錯誤の連続なんですけど……。
実は、セガにこういった 「プロジェクトマネージャー制」 みたいなのがなかった3年前くらいから、『シャイニング』 シリーズの再生を志す者が、部署などの垣根を越えて、放課後のクラブ活動のように 「シャイニング委員会」 なんてものを結成して、『シャイニング』 シリーズの rebirth (再立ち上げ、再生) を計画してきたんです。
その委員会のメンバーには下里君(※1)、澤田君(※2)もいて、『シャイニング』 シリーズをいかにして復活させるかを模索してきました。……僕がプロジェクトマネージャーに就任したのは今年の春ですが、実は3年前くらいからすでにシャイニング・プロジェクトは動いていたんです。
※1:下里君 下里陽一、『シャイニング・フォース 黒き竜の復活』、『新シャイニング・フォース(仮)』 の開発プロデューサー
※2:澤田君 澤田剛、『シャイニング・ティアーズ』 の開発プロデューサー。 |