『ムシキング』 は1回100円。しかも、必ずカードが1枚ずつ排出される。そのカードに描かれているのも、アニメのキャラクターではなくて実在の虫である、と。
だから、ショッピングというイベントに子供が付き合ってくれた “ご褒美” としてムシキングをやらせてあげる。このシステムがうまくいってるのかな、と思いますね。
——さきほど 「危機感は常に持っている」 とおっしゃいましたが、それはなぜですか?
植村■ どんな人気のあるキャラクターだって、ちょっと気を抜くとすぐに忘れ去られてしまいます。ユーザーが増えた分、飽きる子供も相当数でてきている、そういう危機感です。
確かに 『ムシキング』 の売上は順調に上がっています。ただ、その中には 『ムシキング』 のカードを目的とする大人のユーザーが存在するのは明らかで、売上のある一定の割合は大人のユーザーによる “大人買い” だと考えています。だから、ユーザー数は売上ほど爆発的に増えたとは思ってはいません。
…… 『ムシキング』 は元々、子供が興味を持つようにムシを題材にしているわけです。でも、大人のユーザーの方が興味あるのはどちらかといういとカードなんですよね。
……もし、大人のユーザーの方がカード収集に飽きてしまったら、 『ムシキング』 から離れてしまう可能性があると予想しています。しかし、 『ムシキング』 にとっては、ターゲットとなるお客さん、つまり子供たちは残っていれば、売上が今の状況から多少ダウンしたとしても悪いことではないと思っています。やはり何といっても、子供たちが 『ムシキング』 から離れ、売上が下がることの方に危機感を感じます。
だから、我々は子供たちが 『ムシキング』 に飽きないように、日々ムシキングについて考え続けているんです。いろいろな“仕掛け”を用意して、ムシキングを常に少しずつ進化させることも大切にしています。次ページへ→
|