——オープニングテーマの 『絶望と希望』 というタイトルは意味深ですね。
下里■ 川嶋あいさんはゲームのオープニングを歌うのは初めてということで、こちらからの要望も汲み入れながら全部で30曲くらい書いてもらったと思います。本当にラストのラストで届いたのが、この曲 『絶望と希望』 だったんです。
『ネオ』 の話の中に、「絶望と希望」 というキーワードはあるので、川嶋あいさんがシナリオ等を読んで、この言葉を選んでくれたのだと思います。
……でも、18歳の女性が「絶望」という言葉から始まる歌を歌うのもスゴイことだなと思いませんか? 『ネオ』 のオープニングにぴったりの、とてもいい曲ですよ。
——今回は、マックス役の森久保祥太郎さん、謎の仮面役の緑川光さん、メリル役の堀江由衣さんなど、声優陣も豪華なんですが、注目すべきは "フルボイス" という点ですよね。
下里■ 最初はフルボイスにするつもりは全くなかったんです。むしろ僕自身がフルボイス否定派だったので(笑)。RPGっていうのはプレイヤー自身が想像しながらキャラクターやストーリーに色づけしていくゲームだと思っているので、声優さんの演じる声が入った時点でRPGじゃなくなってしまうんじゃないか。そのように考えていたんです。
だから、アクションRPGなのでアクションボイス (剣を振る時のかけ声など) はあるにしても、イベントではボイスなしにしようと思っていたんです。
ただ、これだけの豪華声優陣が集まって、台詞録りをしてみると、ホントにそのうまさを実感するんですね。演じるのではなく、キャラクターそのものになりきっているので、ものすごく情景が浮かんでくるんです。
……そこで考え方がコロッと変わってしまったんですね(笑)。西山さんの絵ですでにビジュアルイメージが与えられているので、今度は声優さんに命を吹き込んでもらおうと思ったわけです。
過去の 『シャイニング・フォース』 とは方向性は違うけど、強烈なキャラクター性を出すには、フルボイスの方がいいなと結論しました。ボリュームたっぷりで、わかりやすいシナリオなので聞いていても楽しいですよ。
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