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街に用意されているものは、すべてコミュニティを活発にするために考案された

——PC版の 『DOCオンライン』 とは、簡単に言うとどんなゲームですか?

松田■ 簡単に言うと、自分だけの馬を育成し、レースに出場させよう、というゲームです。いい餌を食べさせたり、知り合いになった人から優秀な種をもらったり、さまざまな方法を使って、レースに勝つのが本来の目的ですが、楽しんでもらいたいところはコミュニティの部分。
"街" でひとりの人間として生活をし、馬とふれあい、人とのつながりを楽しんでいただけたらいいなと思います。

——なるほど。さて、ここからは少し具体的にお話を聞いていきたいと思います。まずはレース部分について。開発当初、レースシーンにはどのような展望があったのでしょうか?

松田■ アーケードの感覚を、オンラインという環境下でなるべくスポイルせずに実装したいと思っていました。
さらに、アーケードでは敷地面積などさまざまな問題があり18人での同時対戦は実現できませんでしたが、これも実装したいと思っていました。

 photo   ……この点に関しては、アーケードと同様にマウスひとつの簡単操作でレースを楽しむことができますし、ネットワークのレイテンシーなどの問題 (距離による通信速度の遅延) を解決し、18人同時対戦も実現することができました。

それに加え、馬自身のモーション (動き) が、どの競馬ゲームに比べても素晴らしいと思います。競馬のゲームは、同時に18頭もの馬を制御しなければいけない。だから、どうしても動きが固くなりがちなんですね。『DOCオンライン』 は、そのモーションを自由度を持ったAIで制御し、馬の躍動感のある動きを実現しました。これは 『DOC』 から目指していた部分ですが、今回はきっちりとできたと思います。

——ちなみにレースの開催頻度はどのくらいなんですか?

松田■ レースは1分に2回です。最初は3分に1回でもいいかなと考えていたんですが、グレード別に考えるとこれくらいの数が必要だったんですね。グレード別にレースを分けた場合、実際には10分に1回くらいの割合でしかレースには参加することができないんですよ。そこから逆算すると、1分に2回のレースが必要だったんです。

アーケードのように、すべてのグレードの馬を全部いっしょに入れてしまえば、3分に1回でもよかったんですが、グレード毎に分けなければ差が広がりすぎるので、このような形にしました。


——では、次に馬について少し教えていただけますか?

松田■ 馬と仲良くなっていく過程も 『DOCオンライン』 のウリのひとつです。オーナーが馬をかわいがることで、馬もオーナーのことが好きになってくるんですね。その表れのひとつが 「特技」 です。
馬はレースだけでなく、「仕事を手伝うのが好きだったり」、「どこからかアイテムを拾ってきたり」、「踊ったり」 など、いろいろな特技を持っているんですよ。……特技は先天的なものなので、プレイヤーが選ぶことはできないんですが、特技も馬の個性としてかわいがってほしいですね。

ちなみに 『DOC』 の当初のキャッチコピーは「負けてもかわいい」というものだったんですが、『DOCオンライン』 でも「負けてもかわいい」馬であるように気をつけました(笑)。

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——なるほど。家に小さな馬を飼っているようなイメージでしょうか?
さらに、この馬を飼う舞台となる、"街"ですが、ここでの生活についても教えてください。

松田■ チーフプロデューサーである小口久雄社長が発案したんですが、誰でも必ず家を一軒持つことができます
もちろん外見も違えば、プレイヤーによって中に揃えたインテリアの類も違うでしょうね。「この家には誰が住んでいるんだろう?」 という興味も湧きますし、「お隣さん」 の感覚で仲良くなることもあるでしょう。

先ほども話しましたが、『DOCオンライン』 では "街" というものを使って、コミュニティを表現しようと思いました。この家をはじめ、8つ用意されているジョブ (職業)、さまざまなアイテムなど、"街" に用意されているものは、すべてコミュニティを活発にするために考案されたものです。

例えば、GIで三冠馬になるともらえるメンコがあるんですが、それはやっぱり誰かにみせびらかしたい。すると、そういう 「場」 が必要になってくるでしょ? そういう時は、レース中はもちろん、"街" を歩いて見せびらかすことだってできるんですね。「"街"では自慢できるように」が基本コンセプトです(笑)。

——"街"には、家やジョブ、アイテム以外にも、たくさんのこだわりがありそうですね。

松田■ はい。例えば、マップをつくる時に気をつけたことがあって、馬に乗って走るだけで楽しい"街" にしようと心がけました。
走り回って楽しくなるように、できるだけ邪魔になるような障害物は置かないようにしたり (笑)、レースゲームでよくある手法ですが、一度視界が狭くなり、その後うわっと空間が広がるような風景を演出したり。高い所から見下ろした時の風景にもこだわりました。新しいワールドに行ったら、まずは走り出したくなる感じ。それを目指して "街"をデザインしたんです。


——それでは、これからの 『DOCオンライン』 の展望を聞かせてください。

松田■ 真剣にレースをするための調教や育成だけだと息がつまるので、これからも 『DOCオンライン』 の世界を楽しむためのびっくり仰天するようなジョブや、びっくり仰天するような施設をつくるなどして、色々な遊びの要素を加えていけるよう企画を練っています。

——最後にメッセージをお願いします。

松田■ プレイヤーの 「日本全国のプレイヤーと戦いたい」 という思いは、『DOC』 では達成できなかった。多くても、店内にいる50人くらいのコミュニティの中でのレースだったと思います。でも、『DOCオンライン』 は最初から、日本全国のプレイヤー、5000〜1万人くらいと戦えるわけです。

また、『DOC』 では強い馬を持つことがコミュニティの中心でしたが、『DOCオンライン』 の "街" ではそれ以外にも自慢したくなる要素がたくさんあるんです。人とのつながりも密になり、暮らして楽しい "街" を提供することができたと思います。

みなさんには、まったり自分のペースで 『DOCオンライン』 を楽しんでいただけたらなぁ、と思っています。



製品情報
Windows 98SE/Me/2000/XP 日本語版
『 DERBY OWNERS CLUB ONLINE
(ダービーオーナーズクラブ オンライン) 』
発売日: 2004年12月16日  価格: 5,800円 (税込6,090円)
ジャンル: 競走馬育成オンラインシミュレーション (MMO)
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