——『DOC』 は、当時としてはかなりエポックメイキングな作品でしたよね?
松田■ そうですね。あのようなサテライト筐体を連ねた形の大型筐体が、ゲームセンターに登場したのは初めてでしたし、カードに自分のつくった馬を保存できるところも新しかったですよね。
……それまでのアーケードゲームは、その場限りの遊びということもあり、スコアアタックのように、自分のレベルだけを向上させていくものでした。ところがカードという記録媒体が登場し、"継続した遊び"を提供できるようになったと思うんです。それが、みんなでわいわい遊ぶ「場」を提供することにつながったんじゃないかなと考えています。
——『DOC』 で、一番大切にしている部分はどこですか?
松田■ 『DOC』 では、「レース、調教、餌をあげる」 というのが、ワンシーケンスになっています。調教して、餌をあげて、レースに出る。基本的には、この繰り返しです。ここで重要なのが、「レース」、「調教」 と言ったストイックな部分だけじゃなく、"馬とふれあう時間 (つまり、「餌をあげる」 時間)" も盛り込んで楽しいものにしようというコンセプトが 『DOC』 にもあったということです。
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