ストーリー・作品解説







謎の大竜巻に連れ去られてしまった仲間はどこに?
仲間の行方を追って大海原で繰り広げられる大冒険

 突然現れた大竜巻によって、平和な海が生き物のまったくいない死の海になってしまった。

 仲間のイルカを助けるため“エコー”の冒険が始まった。暗く深い海の底、怖い鮫のいる広い海、そして時を越え、“エコー”の冒険は壮大なスケールで繰り広げられる。

この海の底には新たな発見があるはずだよ!

(パッケージより)





イメージイラスト

【アメリカ版メガドライブ “ジェネシス”の隆盛】

1988年に日本で発売された16BITゲームマシン「メガドライブ」は、「GENESIS(ジェネシス)」という名で北米デビューを飾った。

当時アメリカは、任天堂の「NES(ファミリーコンピュータ)」がほぼ一人勝ちの状態であったが、ジェネシスの販売を手がけるセガ・オブ・アメリカ(SOA)は、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を中心に、NESを上回る圧倒的なスピード感を前面に押し出した販促キャンペーンを展開した。

このキャンペーンが功を奏し「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」は大ヒット、ジェネシスはシェアを拡大し、ソフトラインナップも日本で開発されたタイトル以外にも、SOAが独自に開発したタイトルが多数登場(「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」は日本のスタッフが現地に赴きアメリカで開発された)。ソフトメーカーからもアクション、スポーツゲームを中心に多くのゲームが発売され、ジェネシス向けゲームタイトルは一気に充実していく。

北米でのセガと任天堂の熾烈なシェア争いは、任天堂の16BIT機「スーパーNES(スーパーファミコン)」発売後も繰り広げられた。マシンスペックでは後発のスーパーNESに劣るジェネシスであったが、同じ16BIT機として先に発売されたことが、豊富なソフトラインナップ、本体の低価格化につながり、一時は任天堂のシェアを上回ることもあった。
ジェネシス
北米版メガドライブ“ジェネシス”
メガCDは“SEGA CD”と呼称され、国内では未発売であった「SEGA 32X(スーパー32X)+SEGA CD」タイトルも発売された。


【“メガドライバー”と“海外ゲーム”】

ジェネシス向けタイトルの充実に伴い、これまで日本ではなじみの薄かった海外のゲームがそのまま、もしくは“ローカライズ(メッセージを翻訳したりゲームバランスを変更するなどして、その国に合ったものに調整すること)”されてメガドライブ用として発売されるようになった。

ビデオゲーム自体アメリカで生まれたものであるし、パソコンゲームでは当時から海外タイトルが日本で発売されることは特別珍しいことではなかったが、家庭用ゲームの世界で日本人向けの日本製ゲームに慣れ親しんだ日本人にとって、海外メーカーの家庭用ゲームは色々な意味で驚きを与えるものであった。

高い難易度や独特なグラフィック、そして日本人では考え付かないような奇抜な発想……海外ゲームは、日本人にとって決して口当たりのよいものではなかったが、テンゲンから発売された『ハードドライビン(90)』や『ピットファイター(92)』、セガの『トージャム&アール(92)』あたりからであろうか、その個性の強さに惹かれたマニアを中心に“海外のゲームで遊ぶことこそメガドライバー(無類のメガドライブ好き)の醍醐味”といった風潮が生まれ、ジェネシス本体やジェネシスのゲームを輸入して販売するショップも登場した。
『トージャム&アール』

MD『トージャム&アール』

『ナイトトラップ』

MCD『ナイトトラップ』

【驚異のグラフィック『エコー・ザ・ドルフィン』】

そんな折、1993年に日本で発売された、頭に5つの白い斑点を持つイルカ“エコー”が活躍する『エコー・ザ・ドルフィン』も、海外のソフトメーカーNOVOTRADE社開発・SOA発売タイトルのローカライズ版である。『エコー・ザ・ドルフィン』の画面写真が日本で初めて紹介された時には、その画面の美しさにユーザーも驚いたが、日本の開発者からも驚きの声があがった。

メガドライブの画面は基本的に「スクロール面(背景面)」が2枚と「スプライト(キャラクター)」で構成され、同時発色数は512色中64色となっている。その64色は「16色=1パレット」と括られて管理されるので、使用できるのは4パレットとなる。

各パレットには奥の部分を隠さないように“透明色”として1色使用されるが、一番奥のスクロール面の透明色だけは設定した色を表示できるので、実質61色で画面内の全ての絵を描くことになる。また、1セル(8ドット×8ドットで構成される画像データ)の中に2つのパレットを混同させることはできない、という制限もある。

パレットの振り分け例

パレットの振り分け例

パレットの振り分け例。当然実際はこんなに単純なものにはならない。


4つのパレットの使い方を考えてみよう。2つの背景面にそれぞれ1パレット。敵キャラ用に1パレット、主人公キャラと得点等の表示系に1パレット…という使い方が基本的なものになるだろう。

敵と主人公のパレットを分けることの利点は、データ管理のしやすさに加え、あるパレットで描かれた敵が画面から消えた際にパレットの中身を変更し、別の色で描かれたキャラクターを登場させることで、全体を通して色の少なさを感じさせないようにできることである。

当然、色だけではなく一画面内で使用できるセル数にも制限がある(vol.7『ファンタシースター』参照。マーク3の解説であるが、基本部分は大きくは変わらない)。しかし『エコー・ザ・ドルフィン』の画面は、一見するとそのような制限などまるで存在しないかのような複雑で鮮やかな画面になっている。

『エコー・ザ・ドルフィン』発売当時の日本は、クリスチャン・R・ラッセンの描く海をモチーフにした絵画・版画や、イルカを介在して心身の機能を向上させるイルカセラピー(Dolphin Assisted Therapy)など、海洋生物に関する話題が持ち上がり始めた頃であった。『エコー・ザ・ドルフィン』もこの波に乗り、ゲーム誌だけでなく一般紙にもたびたび登場することになる。

しかしキャラクターのリアルな動きやグラフィックの美しさに惹かれて『エコー・ザ・ドルフィン』を購入した人々の前に立ちはだかったのが、その難易度の高さであった。

メッセージは日本語に翻訳され、ゲームバランスも日本向けに調整されてはいたが、リアルゆえにクセのあるエコーの動作や、多くは語られないヒント、正確な操作を要求されるトラップなどは、同じアクションゲームでも、日本のメーカーのそれとはまるで違う“海外ゲーム”そのものであった。

発売当初は「ただイルカを動かしているだけで楽しい」といった、裏を返せば高い難易度を皮肉っているともとれる評価もされていたが、後にステージセレクトなどが可能な「デバッグモード」が公表されたため、誰でも先のステージを体験することが出来るようになり、改めて画面の美しさや意外なストーリー展開が支持を集めた。
エコー・ザ・ドルフィン

エコー・ザ・ドルフィン

エコー・ザ・ドルフィン

イルカ【海豚】

 海獣。体はむつ形で前肢はひれとなる。群れをなして泳ぎ、おもに浅い海域に棲息しているが、大陸棚よりも深い2000フィートまで潜ることができるといわれている。

 彼等は体から発するパチパチ、グーグー、コツコツ、キューキューなど多種多彩な種類の音を使ってコミュニケーションを行う。

 また、バンドウイルカは、カチッという吸気音を連続して発し、その音波をソナーのように使いとても複雑な地形でも見分けることができる。これを称して「エコーロケーション」と呼んでおり、ゲーム中では、音波として表現されている。

(〜座)アポロンがイルカの形で海から上がったという神話にちなんで、古代人はイルカ座を創った。イルカ座は、北の夜空に見ることができるイルカの形をした5個の星からなる星座。(取扱説明書より)

『エコー・ザ・ドルフィン』

【「エコー・ザ・ドルフィン」シリーズ】

現在では、海外のシリーズ作品が日本でも発売されるケースは珍しくなくなったが、日本での認知度は決して高くはなかった当時の海外タイトルの中で『エコー・ザ・ドルフィン』は、続編を含む多くのシリーズが発売された。


国内で発売された「エコー・ザ・ドルフィン」

メガドライブ・メガCD

■エコー・ザ・ドルフィン (1993)

■エコー・ザ・ドルフィン2 (1994)

■エコー・ザ・ドルフィンCD (1995)

ゲームギア

■エコー・ザ・ドルフィン (1994)

■エコー・ザ・ドルフィン2 (1995)

PC

■エコー・ザ・ドルフィン (1996)

ドリームキャスト

■ecco THE DOLPHIN DEFENDER OF THE FUTURE (2001)


メガドライブでは『エコー・ザ・ドルフィン』の正式な続編で、再びエコーが冒険の旅に出る『エコー・ザ・ドルフィン2(原題『ECCO THE TIDES OF TIME』)』。

メガCDでは『エコー・ザ・ドルフィン』と『〜2』がセットになり、CGムービーやオリジナルステージが追加された『エコー・ザ・ドルフィンCD』。

『エコー・ザ・ドルフィン』『〜2』はゲームギアに、『エコー・ザ・ドルフィンCD』はPCに移植された。

そしてハードウェアの進化に伴い、3Dグラフィックで表現された海を舞台に新たな物語が展開される、ドリームキャスト『ecco THE DOLPHIN DEFENDER OF THE FUTURE』が発売された。

海外ではこれらの他にもジェネシス『Ecoo Jr.』、マスターシステム『ecco THE DOLPHIN』、プレイステーション2『ecco THE DOLPHIN DEFENDER OF THE FUTURE』(アクレイム販売)が発売され、ゲームボーイアドバンス『SEGA SMASHPACK』(THQ販売)にも「SONIC SPINBALL」「GOLDEN AXE」とともに収録された。

ちなみに『Ecoo Jr.』はキッズコンピュータ「PICO」にも絵本ソフトとして登場。日本でも1995年にイマジニアの「育脳塾(PICO互換マシン)」用ソフトとして移植された。

また、2006年12月2日に任天堂より発売されたゲーム機「Wii」のバーチャルコンソールにて、メガドライブ版エコー・ザ・ドルフィンを遊ぶことができる。(公式サイト
『エコー・ザ・ドルフィン2』

MD『エコー・ザ・ドルフィン2』

GG版『エコー・ザ・ドルフィン』

GG『エコー・ザ・ドルフィン』

『ecco THE DOLPHIN DEFENDER OF THE FUTURE』

DC『ecco THE DOLPHIN DEFENDER OF THE FUTURE』

『ecco THE DOLPHIN』

リアルタッチな海外版パッケージイラスト。日本版と比べてみよう。




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『エコー・ザ・ドルフィン』の遊び方