インタビュー・小玉理恵子

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リプレイコミック「小玉さんとファンタシースター」


チエちゃん:企画のお手紙チエちゃん







─  会話画面の背景で苦労されたとのことですが、具体的にはどのような部分でしょうか?

■  こういったシーンの背景は、容量を食わないように反転させて左右対称にしています。マーク3はスプライト(の反転)は別セル扱いだけど、FIXは大丈夫なので。

■ 

[FIX(フィックス)]

「BG」「スクロール」…背景として扱われる画面の呼び名は各社それぞれだが、セガでは「FIX」と呼ばれることが多い。

カートリッジに入っているデータを画面に表示させるためには、画面を8×8ドットの「セル」という単位で区切り、「キャラジェネ(キャラクタージェネレータ:本体のメモリー上にデータを格納しておく領域)」に読み込まれたセルを「マップデータ(どのセルをどこに配置するかが記述されている)」にしたがって再配置させる必要がある。

ただ、本体のメモリには「グラフィック」以外にも、「プログラム」「サウンド」といったデータを読み込んでおく必要があるので、各シーン毎に使用できるセルの数は制限されてくる。シーンの切り替え等で画面が暗転している時は、キャラジェネの中身等を次のシーンで必要となるものに書き換えている。

セルを配置する際、反転の有無はマップデータの方で指定されるので、その場合は絵の総容量が増えることはない。ただしスプライト(プレイヤーキャラなど、自由に動かせるもの)には適用されず、見た目は左右対象であっても別のセルとして処理される。


■  こういう所(ドーム部分)はどうしても影をつけたいので、本当はこんな影のつきかた(左右のドームの内側に影がついている)はあり得ないんだけど…それはゴメンという感じで(笑)。

でも、それでも背景をこういう大きな絵でやりたかったんですよね。

会話画面背景

会話画面背景

会話画面背景

左右対称の背景。実際にはベタ塗りの部分や地面のタイル等、同じセルが多数存在するので、この絵を構成しているパーツはもっと少ない。

企画からデザイナーへは、「この絵は150セルでお願い」という感じで発注され、出来上がった絵に対して「ごめん、あと20セル減らして」などと言われるケースも多かった。


“王道”のウラをかけ!

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小玉さんにとっての『ファンタシースター』