ストーリー・作品解説







 帝王ラシークが支配するアルゴル太陽系では、人々が平和にくらしていた。

 そんなある日、パルマ星のあちこちに異形のモンスターが出現しだした。異常現象の原因は、ラシークが永遠の命と引替えに、何者かにアルゴル太陽系を売りわたしてしまったことらしい。

 カミニート居住区では、運命の糸に操られたネロとアリサの兄妹が住んでいた。その兄も、「タイロンを捜せ」の謎の言葉を残してアリサの前から消えてしまう。

 ひとりぼっちとなったアリサの行く手には、未知なる物語と広大なアルゴル太陽系の3つの惑星が横たわっているのみである。

(「セガJOYJOY情報 NO.15」より)






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【“セガのRPG”登場 】

 1986年5月、株式会社エニックスより発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフト「ドラゴンクエスト」により、それまでアクションゲームやシューティングゲームが中心であった家庭用ゲーム機において、新たに“ロールプレイングゲーム(RPG)”というジャンルが注目を浴びるようになった。翌年に発売された続編「ドラゴンクエストII」では、発売日に日本中で行列ができるなどの社会現象を巻き起こし、RPGはその地位を確固たるものとする。

 そんな折、一部パソコン用RPGの移植はあったものの、アーケードゲームからの移植や、アクション、スポーツタイトルをラインナップの中心にしていたセガが1987年に発売した初のオリジナルRPGが『ファンタシースター』である。(同時期に株式会社スクウェアが「ファイナルファンタジー」を発売。翌年2月には「ドラゴンクエストIII」が発売された)

 『ファンタシースター』は、滑らかに動く3Dダンジョンや、戦闘時に敵キャラクターがアニメーションするなど、これまでのアクションゲームなどで培われてきたセガの技術力がふんだんに盛り込まれたものとなった。
そのことから『ファンタシースター』は当初こそ、マスターシステム(セガマーク3)のマシンパワーを活かしたビジュアルやFM音源を駆使した音楽などに対して注目が集まったが、当時のRPGには珍しく主人公が女性であったり、他の作品に多く見られた「中世ファンタジーの世界」とは一線を画すSFタッチの世界観やストーリーなど、随所に他の作品との差別化がなされていた意欲作であり、「他とは何か違う」部分を敏感に感じ取った人々から絶大な支持を得る。

『ファンタシースター』

『ファンタシースター』

『ファンタシースター』

シリーズ第1作。兄の仇・ラシークを討つため立ち上がった少女アリサの物語。通貨の単位が“メセタ”など、後の関連作品に受け継がれている要素も多い。
【“セガのRPG”の大きな柱 】

 『ファンタシースター』は、その後ハードをメガドライブに移し、続編『ファンタシースターII 還らざる時の終わりに』、外伝的位置付けとなる『時の継承者 ファンタシースターIII』を挟み、シリーズを重ねるごとに追加されていった多くの要素や設定を一旦整理したうえで開発された実質的な完結編『ファンタシースター 千年紀の終りに』が発売され、アルゴル太陽系を舞台とする壮大な物語は幕を降ろす。

 「時の継承者」以外にもファンタシースター(実質的にはファンタシースターII)の世界をベースとした外伝的作品は数多く登場し、メガドライブのネットワークサービス「ゲーム図書館」配信コンテンツとして、「ファンタシースターII」に登場したキャラクターのサイドストーリーを楽しめる『ファンタシースターII テキストアドベンチャー』(後にメガCD『ゲームのかんづめ VOL.2』に収録され一般発売)が、携帯ゲーム機ゲームギアでは『ファンタシースターアドベンチャー』などが発売される。ゲーム以外にもドラマCDや設定資料集などが発売された。

 『ファンタシースター』以降、1991年の『シャイニング&ザ・ダクネス』が発売されるまでの間、セガブランドの“コマンドタイプRPG(戦闘時などにアクション要素が存在しない)”はファンタシースターシリーズのみ、という状況であったため、「RPGに弱い」と言われたセガを支える柱としてファンタシースターはユーザーの期待を一手に引き受ける存在となった。そのためセガサターン登場後も続編の要望が高かったファンタシースターだが、発売されたのは新作ではなく、メインシリーズ4作品と当時の設定資料やテレビコマーシャルなどが収録された『SEGA AGES ファンタシースターコレクション』のみであった。

 そして2000年12月、ドリームキャストにて、インターネットを利用した“オンラインRPG”というまったく新しいファンタシースター、『ファンタシースターオンライン(以下:PSO)』が発売される。PSOはファンタシースターの直接の続編ではないものの、その独自の世界観を踏襲したものとなり、従来のシリーズのファンからも注目を集めた。PSOはその後、PC、ニンテンドーゲームキューブ、Xboxと、その活躍の場を広げていくこととなる。


「ファンタシースター」関連作品

■セガマーク3・マスターシステム
  『ファンタシースター』('87)

■メガドライブ
  『ファンタシースターII 還らざる時の終わりに』('89)

  『時の継承者 ファンタシースターIII』('90)

  『ファンタシースターII テキストアドベンチャー』('91)

  『ファンタシースター 千年紀の終りに』('93)

  『ファンタシースター 復刻版』('94)

■ゲームギア
  『ファンタシースターアドベンチャー』('92)

  『ファンタシースター外伝』('92)

■セガサターン
  『SEGA AGES ファンタシースターコレクション』('98)

■ドリームキャスト
  『PHANTASY STAR ONLINE』('00)

  『PHANTASY STAR ONLINE Ver.2』('01)

■PC
  『PHANTASY STAR ONLINE』('01)

■ニンテンドーゲームキューブ
  『PHANTASY STAR ONLINE EPISODE I & II』('02)

■Xbox
  『PHANTASY STAR ONLINE EPISODE I & II』('03)


 また、2003年夏には、セガと(株)ディースリー・パブリッシャーにより共同設立された、(株)スリーディー・エイジスから、シリーズ原点となる「ファンタシースター」のリメイク版、プレイステーション2『ファンタシースター(仮)』の発売が予定されている。
ファンタシースターII

ファンタシースターII

「ファンタシースター」からおよそ千年後のアルゴル太陽系を舞台に、青年ユーシス達の活躍を描く。ダンジョンは3Dから2Dに変更されたが、戦闘時のアニメーションはより強化されている。

ファンタシースターIII

ファンタシースターIII

婚約者マーリナをさらわれたリーク王国の王子ケインより3世代にわたって繰り広げられる壮大な物語。結婚相手によってストーリーが変化していくマルチエンディングを採用。

ファンタシースターIV

ファンタシースターIV

「ファンタシースターII」から千年後のアルゴル太陽系が舞台。モンスター狩りを生業とするハンター、ルディ達の活躍を描く事実上のシリーズ完結編。漫画のコマ割りのようなイベントシーンなど、キャラクターの魅力を引き出すための演出が強化されている。

PHANTASY STAR ONLINE

PHANTASY STAR ONLINE

大規模移民計画“パイオニア計画”によって発見された惑星ラグオルで突如消息を絶った先行隊「パイオニア1」の人々の行方を調査することとなった「パイオニア2」のハンター達の物語。家庭用ゲーム機初の全世界対応ネットワークRPGとして高い評価を得る。

 今回の名作アルバムで焦点をあてるシリーズ最初の物語『ファンタシースター』は、1987年12月、それまでのマスターシステム(マーク3)用ゲームソフトの容量をを大きく上回る大容量“4メガ”カートリッジとして発売された。(マーク3・マスターシステム用ゴールドカートリッジのうち、4メガで発売されたのは、『アフターバーナー』『ファンタシースター』『孔雀王』『R−TYPE』の4本のみ)

 宇宙を舞台にした物語、ビジュアル面のインパクト、斬新なシステム、大容量カートリッジ…と、それまでのRPGの常識を大きく覆したファンタシースターにふさわしく、パッケージも従来のソフトに対して一回り大きなものになっている。パッケージの中には付属品や特殊な同梱物などはなく、ゲームカートリッジと取扱説明書のみが封入されている。

※今回の特集に登場する『ファンタシースター』のゲーム中画面は、セガサターン版『SEGA AGES ファンタシースターコレクション』のもの使用しています。また、解説中に使用される用語や設定は、原則として『ファンタシースター』で完結しているものとしています。
パッケージとカートリッジ





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『ファンタシースター』の舞台「アルゴル太陽系」