ストーリー・作品解説







 宇宙空間を舞台にした戦略兵器開発競争は、エスカレートする一方であった。

 そしてついに、敵国のミサイルが宇宙から襲いかかってきた。自国の領土が焦土と化す前に、敵の攻撃を防がなければならない。

 宇宙空間に発進したサテライトシップを操り、飛来する兵器を破壊し、敵の野望を打ち砕いてくれ!

(取扱説明書より)






イメージイラスト

【異色のシューティング、SDI】

 “SDI”とは「Strategic Defense Initiative(戦略防衛構想)」の略で、別名「スター・ウォーズ計画」とも呼ばれる。1983年、第40代アメリカ大統領、ロナルド・レーガンが提唱した「軍事衛星を用いて敵国の大陸弾道ミサイルを宇宙より迎撃する」という計画であったが、様々な問題により実現されずに現在に至る。

 東西冷戦末期の1987年、ゲームセンターにトラックボールとショットボタン付きジョイスティックを使用したスペース・シューティング・ゲーム『SDI』が登場した。

 『SDI』は、強制スクロールの攻撃シーンと、敵を撃ちもらすことにより発生する固定画面の防衛シーンにより構成されている。いずれのシーンも、共通しているルールは「画面上の敵をとにかく撃つ」ということである。

アーケード版『SDI』

アーケード版『SDI』
 セガを含めて同時期に登場したアーケードゲーム(※)と比較した場合、『SDI』には派手な演出や巨大なボスなどはなく、どちらかといえば“寡黙で渋い”ゲームであったが、独特の操作方法、リアルなグラフィック、細かな点数稼ぎによる全国のハイスコアラー達の争いなど、そのストイックな内容で根強いファンを獲得している。

 また、同年にアルファレコードより発売されたLPレコード「セガ ゲームミュージック Vol.3(収録タイトル:アフターバーナー、エイリアンシンドローム、スーパーハングオン、SDI)」に収録されていたことから、音楽がきっかけで『SDI』を知った人も多い。

 家庭用ゲーム機への移植は、マーク3・マスターシステム版のみで、現在は携帯端末用のコンテンツとして『セガエイジス:モバイルSDI』が登場。手軽にSDIを楽しむことができる。

(※)1987年は、各社からシューティングゲームが数多く登場した年でもあった。

・アフターバーナーII(セガ)

・ドラゴンスピリット(ナムコ)

・R-TYPE(アイレム)

・ダライアス(タイトー)

 ─ 等々

【操作系を大きく変更した“力技の移植”】

 今回の名作アルバムで焦点をあてるセガマーク3・マスターシステム版『SDI』は、1987年10月に発売された。

 『SDI』発売時は、マーク3・マスターシステム専用のトラックボール(セガ スポーツパッド:1988年10月発売)が存在していなかったため、コントローラー1つで遊べるように、操作系に大幅な変更を施しての登場となった(次ページ「『SDI』の遊び方」参照)。

 操作系が変更された結果、自機と照準を同時に動かすことができなくなり(隠しフィーチャーを利用すれば可能)、照準の移動スピードも固定されていることから、敵の数や攻撃もそれに合わせて調整され、アーケード版とは若干異なるゲーム性を持つ作品となった。
パッケージとカートリッジ





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『SDI』の遊び方・ステージ紹介