#26 大崎 誠

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セガのゲームを作る、あんな人、こんな人。

どんな人が、どんなことを考えて、セガのゲームは生まれるのか?

それぞれのクリエイターが持つ “こだわり” や “発想”、開発中に起きるエピソードなど、普段はなかなか聞けないことを、直接会って聞いてみよう! というこのコーナー。

今回は、17年前 (1986年) にアーケードに登場し、現在までにもっともヒットしたドライブゲーム 『アウトラン』 の続編であり、当時では再現することのできなかった表現でより美しく甦った 『アウトラン2』(業務用) のディレクター、大崎 誠 氏 (SEGA-AM2) にお話しを伺いました。


大崎 誠 (おおさき・まこと)

(株)SEGA-AM2 取締役 開発2部 部長
『アウトラン2』 ディレクター

1970年生まれ B型

■主な経歴

1993年セガ入社、第二AM研究開発部 (通称AM2研、現SEGA-AM2) に所属となる。企画として参加した 『デイトナUSA』 以来、AM2研で開発されたドライブゲームのほぼ全てに関わっている。複数のプロジェクトを見るプロデューサー業を行いながら、『アウトラン2』 ではディレクターを務めた。


面白さは、挙動とコースで決まる。

―― 今までにどんなゲームで遊んできましたか?

大崎■はじめてドップリとハマったゲームが 『アウトラン』 です。

ゲームはどんなジャンルでもプレイするのですが、クルマのゲームが一番好きで、本物のクルマが何台か買えるくらいのお金を注ぎ込んでいるかもしれません(笑)。
 『パワードリフト』 のDコースでは 6'40''76 だったかな……。このタイムで全国一位にもなりました。おかげで大学を留年してしまいましたが(笑)。それほどゲームで遊びまくってた訳です。

家庭ではパソコンで遊んでいました。雑誌に載ってるプログラムをパソコンに打ち込むと、ただでゲームができたんですよ(笑)。それがうれしくて、中学1年の時には 「将来、ゲーム屋になる」 と決めていました。

―― セガに入社してから、どんなタイトルに携わってきましたか?

大崎■93年に2研に入社。プログラマーとして採用されたのか企画として採用されたのか、いまだにわからないんですが……(笑)。
 で、最初のタイトルが 『デイトナUSA』 です。 (*)名越さん がクルマのゲームをつくるということで、声をかけてくれました。

本当はモータースポーツにすごく詳しいわけではなかったんですが、クルマのゲームをつくりたい一心で 「なんでもします! モータースポーツの事も結構知ってます!」 とハッタリをかまして参加しました(笑)。……今だから言えることですが、名越さんも気づいていたと思います。

その時に、2研のクルマのゲームはこういうもんだというセオリーを名越さんにたたき込まれました。
 例えば、「最初のカーブはスピード全開でも曲がることができる」 とか、AM2にはたくさんのセオリーがあるんです。それらがAM2研時代からずっと受け継がれているんですね。その時の経験が今も活きてます。

その後は、『バーチャコップ』 『バーチャファイター2』 などではヘルプとして、『バーチャファイターキッズ』 や 『デイトナUSA2』 ではディレクターを務めました。
 ちなみに 『デイトナUSA』 以降、AM2が開発しているクルマのゲームには必ず関わっています。

―― 車のゲームをつくる時のこだわりって何ですか?

大崎■クルマのゲームは挙動とコースで決まるんですよ。操作するのが面白くて、攻め甲斐のあるコースであれば、勝手に面白くなるんですね。それさえ完成してしまえば、半分は勝ったようなもんです。

―― 『アウトラン2』 の企画はどのようにスタートしたんですか?




AC 『アウトラン』 (1986年)



AC 『デイトナUSA』 (1994年)

*) 名越 稔洋

(株)アミューズメントヴィジョン代表取締役社長。セガ執行役員 セガ開発本部副本部長 兼務。(第18回参照



大崎■ (*)裕さん が 「アウトランをポリゴンでつくったら面白いんじゃないか」 と提案したのが、この作品のはじまりです。
 『アウトラン』 をつくった時のノリ、コンセプトをそのままに、今の技術でつくってみたらどうなるんだろうと示してみたのが 『アウトラン2』 です。

裕さんが17年前に 『アウトラン』 をつくった時、「レースゲームではなくドライブゲームをつくりたい」 とおっしゃっていたそうです。キーワードは 「ドライブ」 でした。

今回、『アウトラン2』 をつくる時に裕さんが言っていたのは
「必死の1位より、余裕の2位がかっこいい」 。
キーワードは 「余裕」 なのかな……。だから、「余裕でかっこいい」 みたいなエッセンスは大切にしながら、今回は正統進化を目指しました。


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Product under license of Ferrari S.p.A.

Original Game (C)SEGA (C)SEGA-AM2/SEGA, 2003

All trade marks used with permission of the owners.

AMD, the AMD ARROW Logo and combinations thereof are trademarks of Advanced Micro Devices, Inc.
*) 鈴木 裕

(株)デジタルレックス代表取締役社長。当時の第二AM研究開発部部長で 『バーチャファイター』 『アウトラン』 等の生みの親。セガ常務執行役員 兼務。



「アウトラン2」公式ホームぺージでは、ゲームモードやコース、選択可能車種などを詳しく紹介。インターネットランキングも開催中!
―― 今回、クルマの挙動は、どのようなものを目指したんですか?

大崎■挙動はひとつだけ方針があって 「今までの2研の一番いいとこ取りでいこう」 と。つまり 『デイトナUSA』 『スカッドレース』 『デイトナUSA2』 のいいとこ取りです。
 『Ferrari F355 Challenge』 はシミュレータなんで別ですね。

『デイトナUSA』 でいいところは、直進安定性。でも、ドリフトでS字が切り返せないという欠点があった。

次に出た 『スカッドレース』 は、S字の切り返しはすごくきれいにできるんだけど、直進安定性がなかった。

『デイトナUSA2』 は、この2作品のいいとこ取りをしたつもりだったんですが、スピンしてしまう。ゲームに慣れてない人は、スピンすると立て直せないんですよね。

だから、基本的に直進安定性があって、ドリフトが簡単にコントロールできて、S字の切り返しができてスピンしない。……そういうものを目指しました。


AC 『スカッドレース』 (1996年)



AC 『デイトナUSA2』 (1998年)
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