#25 やいまん


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2Dでやれることはまだまだあると思います

―― ゾルゲさんと組んでの仕事はどんな感じでしたか?

やいまん■ゾルゲさんは割りとトップダウンな作り方をするのに対し、私はボトムアップな作りをするので結構いろいろありました。

ゾルゲさんはまず 「仕様ありき」 で、得点やらタイムやらハイスコアなんかをとにかく入れろ、と迫ってくるんですが、私は周辺の仕様はゲームの成長に合わせて最適なものを追加していく作り方をしたかったので、最初の頃の企画会議はちっとも話が噛み合いませんでしたね(笑)。

結局 「とりあえず」 ということでゾルゲさんの仕様を盛り込むことになったんですが、開発の最後の頃にハイスコアなどの仕様を 「意味のあるもの」 にするのに苦労しました……。

でも細かい仕様はともかく、シナリオやイベントのボリューム感はすばらしく、最近のトレジャーに圧倒的に欠けているものはこのボリューム感だなと思い知らされましたね。

シナリオ以外にも、ステージの背景も無理を言って描いてもらったりしました。すいません、零細企業なもんで人手が足りないんですよ。

―― プログラムで表現するのが難しかったところはありますか?



▲本作ディレクターの ゾルゲール哲氏 (ヒットメーカー)。今回のインタビューにも同席していただきました。



やいまん■私が勝手にサスペンド処理と呼んでいる、「イベントやステータス表示で、ゲーム内容を保ったまま、別の画面に切り替わって、またゲーム画面に戻ってくる処理」 が面倒でしたね。

これは例によって、ゾルゲさんの無茶な仕様を実現するために止む無く入れることになったものですが、GBAはRAMやVRAMにほとんど余裕が無いので大変でした。
 まあおかげで、ゲーム中も切り替えた画面も表示能力を限界まで使った派手な画面にできたので、クオリティアップに貢献したと思ってます。


―― 2Dゲームに対する思い入れがありましたら語ってください。

やいまん■やっぱり日本人の得意分野は2Dでデフォルメなんですよ。マンガもアニメも浮世絵も(笑)。ゲームだって2Dでやれることはまだまだあると思います。残念なのは、今2Dゲームを思いっきり作れそうなゲーム機が無いことですね。

ゾルゲ■今は3Dのポリゴンをつくるデザイナーさんはたくさんいるけど、2Dのドット絵職人というのがいなくなってしまったね……。

やいまん■でも、今回はゾルゲさんの人望でかなりすごいメンバーに絵を描いていただけました。

ゾルゲ■2Dのドット絵職人でもある (*)中井 覚 さん、(*)斉藤 智晴 さん、(*)横川 聡 さん に手塚キャラクターや背景を描いてもらいました。背景なんかとんでもなく凝ってる(笑)。
 それに加えアトムの細かいアクションをつけたのは、トレジャーのナオキマンさん。まさにドリームチームです(笑)。




*) 中井 覚 (なかい・さとし)

代表作: 『ジノーグ』 『重装機兵VALKEN』 『LORD OF MONSTERS 1.2』

*) 斉藤 智晴 (さいとう・ともはる)

代表作: 『美食戦隊薔薇野郎』 『ガンハザード』

*) 横川 聡 (よこかわ・さとし)

代表作:『ADVANCED WORLD WAR 千年帝国の興亡』

―― アトムで遊んでくれる方にメッセージをお願いします。

やいまん■ゾルゲさんのおかげでシナリオもボリューム感たっぷりなので、それを読むだけでもすごく楽しめると思います。

ゾルゲ■私もそれなりのマニアですので、手塚ファンの方からは 「ヌルい!」 と言われることだけはないよう気をつけました(笑)。

やいまん■イージーモードはある意味簡単にできているので、ゲームに慣れていない人でもクリアできると思います。

ハードモードは 「トレジャー基準」 というか、キャラゲーでこの難易度は高すぎだろ、とか思うんですが……。メガドライバーは、もしかするとハードでも物足りないかもしれませんね(笑)。

ゾルゲ■トレジャーファンにもグッとくる要素もあります。
 街の看板には懐かしいタイトルの看板があるし、『エイリアンソルジャー』 のセブンフォース楓みたいに変化するキャラクターが登場したり、『ガンスターヒーローズ』 の音楽が流れるシーンもあります。

やいまん■私は (後ろ向きな) オマージュみたいなものは好きではないんだけど、ゾルゲさんがいつの間にか手を回して……(笑)。

ゾルゲ■アトムファン、手塚ファン、トレジャーファンに楽しんでもらいたいですね!





―― やいまんさんに最後の質問です。これからどんなゲームをつくってみたいですか?

やいまん■ 『爆裂無敵バンガイオー』 のリベンジがしたいですね。あの素材からはもう少しいいダシが出ると思うので。
 「バンガイオー」 もそうなんですが、テーブルゲーム全盛期のころのテイストを持った今時のゲームを作っていきたいですね。

2003.11.18 トレジャー取材室にて


▲アトム開発スタッフ揃っての記念写真



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