#12 ササキトモコ

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セガのゲームを作る、あんな人、こんな人。

どんな人が、どんなことを考えて、セガのゲームは生まれるのか?

それぞれのクリエイターが持つ “こだわり” や “発想”、開発中に起きるエピソードなど、普段はなかなか聞けないことを、直接会って聞いてみよう! というこのコーナー。

斬新なゲーム性と奇妙な世界観に加え、感動的な曲と楽しいホームページから、多くの熱狂的ファンを生んだ 『ルーマニア#203』 。今回は、その中心人物、ササキトモコさん(ウェーブマスター)に、新作 『ニュールーマニア ポロリ青春』(PS2) のお話を伺いました。


佐々木 朋子 (ささき・ともこ)

(株)ウェーブマスター サウンドクリエイター

青森県出身 O型

■主な経歴

1992年、サウンドクリエイターとして入社。MD 『リスター・ザ・シューティングスター』、SS 『ナイツ』 、DC 『ルーマニア#203』 などの音楽を担当。分社後は、PS2 『ニュールーマニア ポロリ青春』 の 原案 および サウンドクリエイターとして活躍。また、ゲーム内アーティスト 「セラニポージ」 として、2枚のアルバムをリリース。

※詳しくは ウェーブマスターホームページ「staff profile」を参照


ゲーム音楽って、いいかも

―― ササキさんが初めて作曲をしたのは、いつ頃ですか?

ササキ■小学の頃から遊びで作曲とかはしていたけれど、きちんと多重録音をして、ベースとかドラムやコードをつけてみようと思ったのは中学の時なんです。
 ラジカセを3台くらい用意して、アナログなやり方で曲を作っていました。

中学の時はテレビを見せてもらえなかったので、こそこそラジオを聴いていたんですね。坂本龍一のラジオ番組。


 当時は坂本龍一中心で生活がまわっていて、シンセサイザーが欲しくなったのも、自分で曲を作ってみようとかラジオ番組を作ってみようと思ったのも中学の頃のことです。

―― すると、その頃から将来は作曲家になろうと考えていたんですか?

ササキ■ずっとピアノを習っていました。先生がコンクール好きだったので、人前で弾くことには鍛えられていたんですね。だから、どちらかというと作曲家ではなくピアニストになるのが夢だったんです。

―― 今はゲームのサウンドクリエイターですね。

ササキ■ゲームは昔からよくやっていて、中学の頃は年の離れた弟や妹に教えてもらったり、大学時代には安いゲームを買ってきてコツコツやったりしていました。


分岐点となったのは就職浪人している時で、(*)『マザー』 をやりながら家でボロボロ泣いて、この時 「ゲーム音楽って、いいかも」 と思ったんですね。
 自分が泣いてしまうくらいの音楽がゲームで作れるなら、ゲーム音楽をやりたいと思ったんです。

青森から東京へ

―― そんなササキさんは、大学時代にはバンド活動をしていたそうですが……。

ササキ■大学では、ニューウェーブパンクをやりたいなと思っていました。それで同じクラスの女の子4〜5人で 「ゴルジ隊」 というパンクバンドを結成したんです。

はじめてのオリジナル 『お姫様のおなら』 という曲で、「ゴルジ隊」 はテープ審査にも合格し、大学祭の野外特設ステージに立てることになりました。
*) 『マザー』(1989年/任天堂)

糸井重里が監督したファミコンRPG



▲高校の頃に家族で撮った写真

「ボケてますが、母・弟・妹・私です。」
 かなり狭き門だったので喜んでいたのですが、当日は雨で結局ステージは中止になってしまったんです。

情熱をもてあましたので、リベンジライブを決行しました。
 ボーカルの女の子のパフォーマンスは激しかったけど、私は動きが激しくないので、せめて肌の露出だけは激しい格好をしてライブに臨んだんです。実は、この時の写真が一枚だけ残っています。

それとは別に個人プロジェクトをやっていて、体操着にブルマ&ハイソックス、しかも振り付きでライブをやったことがあります。残念ながら、こちらは写真は残っていませんが……。

―― 大学のために青森から上京して来た時、コンプレックスのようなものはありませんでしたか?

ササキ■私は青森から出てきたときは1ヶ月間、誰とも会話をしませんでした。
 カセットテープに自分の声を毎日録って、客観的に聞いて “なまり” が取れるまで誰とも話さなかったんです。それで、ようやく標準語をマスターできた頃でしょうか、友達ができました(笑)。


▲ゴルジ隊ライブの写真

「奥にいる帽子にメガネが私です。」
 田舎にいたっていうことのコンプレックスは、妹と結成している (*)「東京ハイジ」 に “東京” がつくところに、そのコンプレックスが現れていると思うんです。

「ルーマニア」 シリーズでは特定の地名を絶対に出さないし、割と地方の人にも自分の身近で起こっているように錯覚させるように作ってあるんですけど、そういうところの配慮はたぶん私が青森で育ったからだと思うんです。

*) 東京ハイジ

ササキさんと妹の若葉さん(イラストレーター)で結成しているユニット。音楽やアニメーション作品を制作。

>>東京ハイジ 公式サイト


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