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Vol.38

06.04.27 更新

現代の最終兵器
『ダイナマイト刑事』

1996年にアーケードに登場し、サターン版発売時には衝撃的なテレビコマーシャルで一世を風靡した3Dアクションゲーム『ダイナマイト刑事』が「SEGA AGES 2500」シリーズで奇跡の復活! それを記念して『SEGA AGES 2500シリーズ Vol.26 ダイナマイト刑事』の内田誠ディレクターにインタビューを行いました。

『SEGA AGES 2500 Vol.26』ディレクター

内田 誠(うちだ まこと)

'87年セガ入社、第1研究開発部に企画として配属。最初の作品はアーケードの『獣王記』、以後『ゴールデンアックス』『エイリアンストーム』など数々の名作を生み出す。1995年からはアメリカに渡り『ダイナマイト刑事』『エイリアンフロント』などを発表。2002年には中国にて上海スタジオを立ち上げ、PS2『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』のスーパーバイザーを務める。セガエイジス2500版『ダイナマイト刑事』は5年ぶりのディレクター作品となる。


ダイナマイト刑事

10年の時を経て……刑事、復活!

Q

『ダイナマイト刑事』が「SEGA AGES」で復活することになった経緯を教えてください。


 

『ダイナマイト刑事』は1996年に発売された、当時ST-Vというサターン互換機でつくられたアクションゲームです。それまでは『獣王記』や『ゴールデンアックス』など、2Dスクロールのアクションゲームをたくさんつくってきたんですが、その延長として3Dの『ダイナマイト刑事』をつくったんですよ。それから10年……。  

当初、私の立ち上げたセガ上海の開発チームで、別タイトルのゲームを「SEGA AGES」として復活させようと企画していたのですが、そのタイトルをPS2に移植するのはかなり難しいことが判明し、他に「SEGA AGES」として復活させると面白いタイトルはないか探していたんですね。その時、頭に浮かんできたのが『ダイナマイト刑事』だったんです。やはり私がプロデュースした作品ですし、登場してちょうど10年目というタイミングもよいのではないか、と(笑)。

それから「SEGA AGES」シリーズといえば、私がプロデュースしたアーケード版の『ゴールデンアックス』も過去に『SEGA AGES 2500シリーズ Vol.5 ゴールデンアックス』として移植されているのですが、この移植に関しては私はまったく知らなかったんですよ。できあがった時点で初めて見せていただいたんですね。……『ゴールデンアックス』の生みの親である私の知らないところで、開発されたわけですから、たいへん悲しい気持ちになりましてね(笑)、ユーザーさんのためにもなんとか自分の手で移植したかったなぁと思ったわけです。……今回は、いつか「SEGA AGES」でつくりたい、リベンジしたいと思っていた夢がやっと叶ったという感じでしょうか。


Q

どのようにパワーアップして甦ったのか、教えてください。


 

サターン版の『ダイナマイト刑事』を開発した時には、サターン自体のグラフィック能力が低く、ポリゴンで表現することでさえ難しいなかで移植作業をしていたんです。それをプレイステーション2というハードで、現在我々の持てるグラフィックに関するノウハウをフルに使って移植をしたのが、今回の『ダイナマイト刑事』というわけなんです。我々のチームは、PS2『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』を開発する際に、グラフィックに関するノウハウをかなりため込めんでいましたので、存分に活用することにしました。内容的には同じ『ダイナマイト刑事』なんだけど、見た目は『ダイナマイト刑事』には見えないくらいハイクオリティなグラフィックにしてやろうと思ったんです。  

パワーアップするためには、まずグラフィック的な大幅な向上。ここを第一に踏まえました。PS2『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』よりも、クオリティの高いものを目指したわけです。キャラクターの顔がアップになるようなイベントシーンを見ていただくとわかるのですが、今回は光と影を利用し、顔の凹凸表現や、しわ、毛穴、まできれいに表現しています。

▲舞台となるエターナルタワーを占拠する悪役・ウルフ=ホンゴウ。

▲当時「助けたくない」とさえ言われた大統領の娘もこのとおり。



次に考えたのが、今回『ダイナマイト刑事』を遊んでいただける方が何を望んでいるのかということですね。今回、初めて遊んで遊んでいただく方や、ちょっと『ダイナマイト刑事』のことを知ってる方には、グラフィックの向上でいいだろう、と。あと、ディープに『ダイナマイト刑事』を楽しんでいた方には何を入れたら喜んでいただけるのだろう、と。……これに応えるために、まず最初に用意したのが、私が『ダイナマイト刑事』の遊びのなかで一番大きかった部分だと思っている「アイテム」なんです。当時のTVCMでも登場し、話題になった、モップやコショーといった武器アイテムをはじめ、とにかくいろんなアイテムが出てきて、遊んでもらえるようにしよう。これだったらゲーム性を変えずに遊んでいただける、と考えました。  

今回は通常のゲームモード以外にも、ゲーム性の異なるいくつかのモードを用意したのですが、それぞれのモードでアイテムをすべて“総とっかえ”してやろう、と(笑)。武器のグラフィックが変わるだけでは面白くないので、エフェクトにも凝ろうと企画をし、例えば、「花火」を使えばちゃんと花火のエフェクトが出ますし、「クラッカー」を使えばちゃんと中から飛び出した紙吹雪が最後は地面にヒラヒラ落ちていきますし(笑)。アイテムに関しては、総数もエフェクトもこれでもかというくらい入れました。

▲武器も大幅に追加。プレイするモードごとに異なった武器が登場する。

▲武器を使用したときのエフェクトもより派手なものになった。



それから、「DYNAMITE DEKA MODE」の他にも、「ONE SHOT KILL MODE」「ARREST MODE」「DEADLINE MODE」「ALTERED BEAST MODE」など、さまざまなモードも用意しています。


Q

たくさんの「モード」のなかから、いくつか紹介してください。


 

「DYNAMITE DEKA MODE」は、グラフィックを完全パワーアップした本作のメインとなるモードです。当時、サターン版の時には、スクロール機能を使って無理矢理、地面や天井などをつくっていたんですね。ポリゴンではなかったんです。今回は、それらの部分もポリゴンでつくり、ゲーム画面を再現しています。つまり、グラフィックは全部入れ替えたわけですね(笑)。すべてモデルを用意して、すべて入れ直しました。  

サターン版のデータをそのまま使っているのは、サターン版はCD-DAのストリーミングで大変すばらしい音が入っていましたので、そこはそのままですね。音とモーションデータ、プログラムに関しては、当時のままで使っています。内部的なプログラム、アルゴリズムに関してはそのまま。コリジョン(当たり判定)、ヒットプログラム等に関しても、サターン版と同じものが動くようにしました。それ以外は全面入れ替えです。

▲「SEGASATURN MODE」ではセガサターン版を再現したグラフィックで遊ぶことができる。

▲グラフィックが大幅にリニューアルされた「DYNAMITE DEKA MODE」。



「ONE SHOT KILL MODE」は文字通り緊張感あふれる銃での1発死を体験するモードです。ちなみに、各モードにはテーマがあって、それに合わせてプレイヤーキャラクターのコスチュームを用意しています。このモードではハリウッド映画をイメージしたコスチュームが登場します。  

「ARREST MODE」はロボット以外の敵を逮捕で仕留めていくモード。コスチュームは、遠山の金四郎とサンタの格好をした女の子を用意しています。金さんは「お縄につけい!」という感じでこのモードにぴったりです。サンタは個人的趣味と言ってもいいのかもしれないですが(笑)。このゲームはクリスマスシーズンを題材にしているので入れてみました。

「DEADLINE MODE」は、制限時間内でステージをクリアしていくモードです(敵からダメージを受けても体力が減りません)。『DEADLINE』というのは、もともと『ダイナマイト刑事』の開発初期の名前ですね(笑)。懐かしさにちなんでここにはセガの懐かしいキャラクター達、柔道着姿の格闘家や、頭にドリキャスを乗せた(?)女の子のコスチュームが登場します。

「ALTERED BEAST MODE」は、プレイヤーは獣人となりスピリット(体力)が常に減る状態で、敵からスピリットボールを回収して進むモードです。名前の通り『獣王記』に登場するキャラクターが数々登場します。もちろん人気キャラクターのチキンレッグも登場しますよ。残念ながら今回はチキンレッグには乗れませんが(笑)。

その他、セガサターン版を再現した「SEGASATURN MODE」や、体力が2倍ある状態でプレイできる「EASY MODE」などさまざまなモードを用意し、どのモードも新鮮な気持ちで遊べるように、各モード毎にすべてのアイテムを新たに用意し、キャラクターやコスチュームも多数作成しました。『エイリアンフロント』のフォーレッグウォーカーという敵キャラも登場するシーンでは、音楽も『エイリアンフロント』の曲が流れるなど部分的には、曲も変わっています。

ちなみに、私が過去に開発した作品群のキャラクターもゲーム中に散りばめています。『エイリアンストーム』のボスキャラや、『獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-』『ウイングウォー』『エイリアンフロント』『ゴールデンアックス』やロケテストで消えていったカエルが主人公のゲーム『蝦蟇の園』などなど、私の作品のキャラクターは余すところなく登場します(笑)。

ぜひ、すべてのモードをしゃぶりつくすまで遊んでほしいですね。

▲各モードにはテーマに沿った「コスプレ」が用意されている。「EASY MODE」では「ゴールデンアックス」のキャラに変身!

▲「ALTERED BEAST MODE」では、「獣王記」のウェアウルフ(ブルーノ)、ガルーダ(シンディ)が登場!



Q

『ダイナマイト刑事』にはセーブ機能がありませんが、これはなぜでしょうか?


 

もともと『ダイナマイト刑事』自体がセーブを必要としていないゲームだったわけです。実際にセガサターン版ではセーブ機能がありませんでした。何かをセーブして遊ばなければならない、という必要性はなかったわけです。  

ゲームの制作上、セーブ機能があるかないかでは、作業量がまったく違ってきます。それほど必要性がないのであれば思い切ってセーブ機能を省き、その分の開発時間を新モードや膨大なアイテムやエフェクトなどの制作時間に充てたほうが、『ダイナマイト刑事』は面白くなるに違いない、という判断をしたんですね。そこで最終的に、セーブ機能を省いたわけです。おかげでコスチュームチェンジまで入れる余裕が作れました。でも、ここは発表後かなり反響があって、ユーザーの求めているものとは少々ずれがあったと後悔もしています。皆さんごめんなさいね。


Q

今回、『ペリスコープ』が収録されることとなった経緯を教えてください。


 

サターン版『ダイナマイト刑事』には『ディープスキャン』を。ドリームキャスト版『ダイナマイト刑事2』には『トランキライザーガン』を収録してきました。そうなると、やはり今回もオールドゲームの収録をみなさんが期待してくれるものと思っていました。  

もちろんその期待を裏切ることはできないわけで(笑)、何か収録しようとタイトル選びをしたんです。ところがセガのオールドゲームは、現在は携帯電話のアプリなどでたいてい復刻されているんですよね。さらに面白いものはないかと探して、辿り着いたのが『ペリスコープ』というわけです。……エレメカを再現するのは他に誰もいないだろう、と思い収録を決定しました。「復刻秘話」等に関しては、パスワードを入れると見られる『ダイナマイト刑事』の公式サイト特別ページにも掲載していますので、そちらも読んでください。

▲1966年にセガが開発し、世界的ヒットとなった、日本オリジナルエレメカ「ペリスコープ」を筐体ごと完全再現。

▲ゲーム中、ある条件を満たすと表示されるパスワードをホームページで入力すると「ペリスコープ」復刻秘話等を見ることができる。



Q

最後にメッセージをお願いします。


 

前作となる『ダイナマイト刑事2』が発売されてから8年。『ダイナマイト刑事』を復活させるからには、クオリティの高いものをつくってたくさんの方に遊んでいただき、「まだまだたくさんのお客さんが『ダイナマイト刑事』を求めているんだ!」とアピールしたいと思っていました。それは、『ダイナマイト刑事』の続編をつくりたいという気持ちがずーっとあるからなんですね。そのためにも、今回は『ダイナマイト刑事1』ではなく、『ダイナマイト刑事2.5』くらいをつくるつもりで開発に気合を込めました。……みなさんにこの想いが届き、『ダイナマイト刑事』シリーズの今後を期待する声が、少しでも増えてくれるといいな、と思っています。


『SEGA AGES 2000シリーズ Vol.26 ダイナマイト刑事』

2006年 4月27日(木)発売¥2,500(税込¥2,625)