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SEGA-SAMMY GROUP

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Vol.37

06.04.20 更新

青き竜復活!
『パンツァードラグーン』

1995年にセガサターンで発売された『パンツァードラグーン』。以後、『ツヴァイ』『アゼル』『オルタ』とシリーズを重ね、今回は第一作目が「SEGA AGES 2500」シリーズで復活! それを記念して『SEGA AGES 2500シリーズ Vol.27 パンツァードラグーン』の近藤智宏ディレクターにメールインタビューを行いました。

『SEGA AGES 2500 Vol.27』ディレクター

近藤 智宏(こんどう ともひろ)

'89年セガ入社。第2研究開発部に企画として配属。最初の作品はメガドライブ版『シャドーダンサー』。以後『クイズスクランブルスペシャル』『スイッチ』などの企画を務める。1995年、セガサターンの立ち上げプロジェクトとしてコードネーム「アンドロメダ」の名で作られた『パンツァードラグーン』のディレクターとして参加し、ディレクションとシューティング部分のレベルデザインを担当。1996年に『〜ツヴァイ』を開発。その後「株式会社ランド・ホー!」を設立、『スペース・フィッシャーメン』などを手掛けている。


パンツァードラグーン

十年経った今のハードで再現したらどうなるんだろう?

Q

『パンツァードラグーン』が「SEGA AGES」で復活することになった経緯を教えてください。


 

独特な世界観のあるタイトルでしたし、その後も続編やRPGそしてXboxへと多くのファンの方々に長く愛されたシリーズとなりましたので、SEGA AGES化を期待する声はそれなりに多いのではないかと思っていました。私もいちユーザーとして楽しみにしていたんですが、まさか自分で担当することになるとは! それにこれを作っていたのはもう十年以上前のことですからね。正直覚えてないぞ! と。(笑)  

ただ悲しいかな、開発に加わった当人ですから、SEGA AGES担当プロデューサーの奥成君に「是非お願いします!」と熱く迫られては、断る理由はありません。それに私自身もこれまで作ってきたタイトルの中で特別に思い入れのある一本でしたので、そういった意味でも積極的に関わりたいという気持ちがありました。当時の開発メンバーは皆同じ想いでしょうからできるだけ多く集まって同窓会のように制作できればそれは面白いことになったんでしょうが、残念ながらそれは無理でしたね。既に散り散りになってまして……。

ゲーム化ということでは隠し要素ですがXbox『パンツァードラグーン オルタ』に既に収録されているのは周知のことですが、やはりPS2でプレイしたいという声は多いと感じていましたし、十年経った今のハードで再現したらどうなるんだろう? という興味もありましたので、それらグラフィックのクオリティアップなども含めて、やってみましょうということになりました。


Q

【アレンジバージョン】について。グラフィックや描画速度など、アレンジされているところについて詳細に教えてください。


 

まずはやはりドラゴンと主人公のモデルをディテールアップするところから始めました。さすが十年前、特に主人公などはつい立のような体をしていたりとセガサターン版のデータは結構すごいものがありましたからね。主人公キャラは視点変更で大きく見えたりする瞬間がありますし、またシューティングモードでなんとか銃を構えている姿を画面に入れられないかなとも考えていたので、そのあたりの改造から始めました。銃が見えるのなら弾もきちんとその銃口から発射されてさらにはマズルフラッシュも付け加えたいなんて思ってましたけど、そこまではちょっと無理がありましたね、残念です。  

ドラゴンについてはセガサターン版のテイストを失わないように慎重にモデルをグレードアップしています。特に第一作目のドラゴンはシャープなフォルムが特徴です。ディテールをアップすることは丸みを帯びることに繋がるのでそこでオリジナルのイメージが失われないように気を配りました。

加えてモデルから差し替えたのはボス級のエネミーたちです。まずは2面に登場するこのゲームの顔といってもいいエネミー「ワーム」、これは私一番のお気に入りでしたんで、真っ先に作ってもらいました。よーく顔を見てやって下さい、目を中心としての顔のディテールは素晴らしいです! 1面ボスの帝国軍大型戦艦、2面最後に登場するプロトタイプドラゴン、そして3面〜5面のボスと、これらすべてモデルからのクオリティアップを施しています。

さらにグラフィックのクオリティを仕組みから底上げするものとして描画速度のアップを図りました。ドラゴンの描画部分のみという限定ですが、羽ばたきを始めとしたドラゴンの動き全般が非常にスムースになっていることと思います。これだけでもプレイ画面の印象が全く変わりましたね。

その他細かい点ですが、主人公のバルカンショットやドラゴンレーザー、またエネミー側の吐き出す弾や爆発などのエフェクトなど、テクスチャを差し替えて大きな表示にも耐えられるようにしています。

機能の面ではシリーズ恒例の「パンドラボックス」を是非入れ込みたいと思い、オリジナルに描き起こした旧世紀背景画面とともに様々なおまけ要素を入れてみました。セガサターン版では裏技がたくさん入っていましたがすべてコマンド入力式だったんですよね、パンドラボックスとして機能があったのは実は『パンツァードラグーン ツヴァイ』からだったんです。シリーズ唯一入ってなかったアイン(『パンツァードラグーン』)に組み込めて感激です。さらに特筆すべきは……後ほど詳しく語りたいと思います。

▲メインモードとなる「アレンジモード」は、オリジナル版を開発した近藤ディレクターの手により、さらに美しい姿となって登場!

▲すべての登場キャラクターがプレイヤーを攻撃してくる海外版難易度を選択することも可能。



Q

セガサターン版を可能な限り忠実に再現した【セガサターンモード】を収録ということですが、こちらの開発苦労話などあれば教えてください。


 

はっきり言って泣きそうでした(笑)。当時のソースの解析からスタートして、ある箇所では特殊なコンバータまで作成してデータを再現し、またある箇所では大きな声では言えませんが製品版のディスクから吸い出すようなまねまでした所もあります(笑)。すべてを忠実に「エミュレート」するという方法もありましたしそうすればもう少し楽になった可能性はありますが、手を入れられるところは手を入れたアレンジモードも入れたい! ということで始まっていましたので仕方ない苦労です、ハイ。  

当時の資料はもちろん“私物”程度にしか残っていませんでして、例えばUS版の難易度はどこが違うんだ!? みたいなところも(まあ開発当時最後の最後に口頭で指示しただけの記憶はかすかにあるんですが)資料なんにもないんです! 仕方ないので目で見て作りました。(笑、というのは冗談で、きちんとソースで追いかけてますけど)

あと苦労したのは、ゲームをクリアできなかったこと(笑)。いやあ、十年の月日というのは人をここまで変えるものなんですね、もう下手で下手でクリアどころではなかったです。最後にはがんばって当時の勘をほんの少し取り戻しましたけど……いや、うそです……うまい人に頼みました。誰だこんな難しいゲームを作ったのは! いやはや、当時の難しさまで忠実に再現していますんで。撃墜率100%がんばって下さい。

▲「セガサターンモード」

▲「アレンジモード」



Q

隠しモードの「パンドラボックス」など、SEGA AGES版ならではの追加要素があれば教えてください。


 

はいそうですパンドラボックス、中でも特筆すべきは・・・リプレイデータの収録、撃墜率100%の華麗なプレイデータばかりでなく、画期的な●●●●●付きのリプレイデータを収録していることではないでしょうか!! 強制スクロールで進むこのパンツァーだからこそ可能だったこの企画、奥成Pの思い付きに大感謝です。自分では恥ずかしいのですが、ファンの方々にはとても喜んでもらえるものではないかと思います。

また、パンドラボックスにはその他貴重なイラスト資料やCG画像の資料、さらには当時の●●書まで収録されていますので、是非全部オープンさせて見て欲しいと思います。さらに取扱説明書も必見! 当時ゲームディスクにこっそり仕込まれていた「readme.doc」がなんと印刷物になって掲載されていますぞ! 当時の楽しい(悲痛な?)開発の様子がうかがい知れて面白い。

あそうそう、当たり前のように入っていますが、実はセーブ機能も当時のセガサターン版にはなかった機能ですね。セーブもできないのによくもこんな難しいゲームを遊んでましたね、びっくりです。

▲『ツヴァイ』より登場しシリーズのファンならおなじみの隠しモードである「パンドラボックス」を1作目としては初めて搭載。

▲開発用イラスト&資料や、ゲームにさらなる味付けを加える各種の裏技など、各種お楽しみ要素がゲームを進めていくことで追加されていく。



Q

最後にメッセージをお願いします。


 

今回は通称『アイン』とも言われるシリーズ第一作目のSEGA AGES化となったわけですが、やはりシリーズ通して全作品出してくれたらうれしいですよね、私も是非欲しい! 中でも『ツヴァイ』は自分史上最高傑作だと思っている作品ですから、ほんとに熱望します。SEGA様お願い致します! なーんて、いちユーザーとしての意見を言いつつ、お別れしましょう。  

パンツァーシリーズをこよなく愛してくれた、今もくれている皆様方、本当にありがとう!!


『SEGA AGES 2000シリーズ Vol.27 パンツァードラグーン』

2006年 4月27日(木)発売¥2,500(税込¥2,625)